
永遠の若さを求めて魔法を使う物語は、古くから童話などで多く描かれてきた。今回は、漫画家・猪原秀陽( @inoharahideharu )の創作漫画『若返る魔女』を紹介する。本作は、老女である魔女が若返りの薬を使い、実直な青年と恋に落ちるラブストーリーだ。SNSで多くの共感を集める本作について、作者の猪原さんに作品の着想や制作秘話を聞いた。



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助けたおばあさんは「魔女」だった?劇的な出会いと恋の始まり
物語は、青年がスーパーの袋が破れて困っていた老女を助ける場面から始まる。お礼として招待された家で、薬草を扱い人々の相談に乗る彼女の姿を見た青年は「まるでシャーマンのようだ」と驚く。その素直な反応を見た老女は、少し驚かせようと若返りの薬を使い、若い姿となって青年にアプローチを開始する。
実は彼女の正体は“魔女”だった。魔法の力で若返った彼女は青年と逢瀬を重ね、やがて青年の告白によって2人は恋人同士となる。しかし、薬の効果が切れると姿は元の老女へと戻ってしまう。一見ロマンチックなファンタジーでありながら、その裏には深いテーマが隠されている。
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「外見至上主義」へのアンサー。現実と幻想が交差する世界観
着想のきっかけについて、猪原さんは「街で見かけた素敵なおばあさんを見て、『若い頃はきっと美人だったんだろうな』と思ったことでした」と振り返る。その想像から物語の種が芽生え、「外見至上主義や年齢差別への、自分なりのアンサーを描きたかった」というテーマへと結実した。
制作においては、リアルと非現実のバランス調整にこだわったという。「若返り薬の設定に納得感を持たせつつ、登場人物のいる世界を現代日本とは異なる曖昧な空気感に設定しました」と猪原さんが語る通り、どこか身近でありながら幻想へと滑り込む独特の読後感を生み出している。
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表現者としての広がりと、作品が投げかける本質的な問い
猪原さんは個人での作品発表にとどまらず仲間とともに漫画雑誌『COMIC IN THE HOLE』の創刊に携わるなど、活動の幅を広げている。「雑誌の制作や展覧会を続けつつ、いずれは商業誌でも作品を届けていきたい」と、今後の表現活動への強い意欲を明かす。
若さと老い、外見の美しさと人間の本質。その境界線を静かに問いかける『若返る魔女』は、読む者に自身の価値観を見つめ直すきっかけを与えてくれるはずだ。
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取材協力:猪原秀陽(@inoharahideharu)
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