
オンラインショップでの買い物が日常となった現代。需要の増加に伴い、物流業は不可欠な存在だ。デジタル化が進む一方、荷物は人の手によって配達されている。



今回紹介するのは、フリマアプリで売買された小包にまつわる怪異体験談だ。本作の作者は、現役の郵便局員である送達ねこ(@jinjanosandou)さん。同僚たちの体験談を漫画化するうちに、他局からもエピソードが集まるようになったという。
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壊れた市松人形と「同居」する局員たち
損害賠償担当のシマダさんに回ってきた小包の中身は、手首がもげた日本人形だった。補償手続きのため「荷送人」に連絡を試みるも電話がつながらず、数日が経過する。
その間、シマダさんの周辺で異変が起こり始める。人形を置いたデスク背後からカタカタと音が響き、ケースに入れたはずの人形が別の場所に転がり、髪が伸びているように感じられたのだ。
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作者の送達ねこさんによると、ネット売買での破損事故では代替がきかない品も多いという。注意喚起として専用シールに加え、箱に赤字で「ガラス」「ワレモノ」と大きく記載することが有効だ。不幸にも輸送中に破損した小包は、担当者がデスク近くで大切に保管し、対応終了まで同居関係を築く。「本作の市松人形も、シマダさんが事務をする間、そばでもの言いたげに控えていたそうです」と送達ねこさんは明かす。
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遺骨を運べる唯一の運送業者だからこそ立ち逢う奇談
局内では、実にさまざまなものが交差する。運送業者の中で唯一、郵便局だけが扱える配達物に「遺骨」がある。陶器に収められているため「こわれもの」扱いだが、ある局では外装の下半分が濡れた「遺骨ゆうパック」が届いたことがあった。「配達先で確認いただいたところ、幸いにも中身は無事だったそうです」と、背筋が凍るエピソードも明かされた。
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配達物を通して覗く、深い人間模様と怪異の世界
遺骨の配達には「墓じまい」など切実な事情が絡み、細心の注意を払うという。「別の局では、親族間で送った着払いの遺骨が受取拒否され、差出人も返還を拒んだため、担当者が行き場を失ったお骨とデスクで同居することになった例もあります」と送達ねこさんは語る。
単に物を届けるだけでなく、配達物を通じてさまざまな人間模様や怪異を垣間見る郵便局員たち。彼らのリアルな体験を描いた連載『郵便屋が集めた奇談』は、読者からも「ゾッとした」「引き込まれる」と反響を呼んでいる。
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取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)
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