大阪を象徴する観光スポット道頓堀の中でも、ひときわ多くの人から注目されている「グリコサイン」。戎橋(えびすばし)から看板を背景に、両手を上げたランナーと同じポーズで記念撮影するのは、おなじみの光景だ。そんな大阪のシンボルが、2027年春に7代目へリニューアルされることが発表された。現在の6代目が見られるのは2026年11月末まで。新しい姿に生まれ変わる前に、今のランナーと一緒に記念撮影をしておきたい。今回はリニューアルの概要とともに、90年以上にわたるグリコサインの歴史を紹介する。
大阪・道頓堀の「グリコサイン」がリニューアル!今のランナーと記念撮影できるのは11月末まで
道頓堀の街を彩るグリコサイン!現在の看板は2014年に登場した6代目
大阪・道頓堀の戎橋周辺は、連日多くの国内外からの観光客でにぎわうエリア。そのなかでも、ひときわ存在感を放っているのが、両手を大きく上げてゴールするランナーが描かれた「グリコサイン」だ。大阪を訪れた記念にランナーと同じポーズで写真を撮る人も多く、街を代表するランドマークとして親しまれている。
江崎グリコ株式会社は2026年10月14日、このグリコサインをリニューアルすると発表した。現在の6代目は11月末をもって掲出を終了し、12月から工事がスタート。2027年春には7代目が登場する予定だそうだ。
現在のグリコサインは、2014年10月に設置された6代目。高さ20メートル、幅10.38メートルという大きさで、従来のネオン灯に代わって約14万個のLEDチップが採用され、多彩な映像演出が可能になった。日没後から24時まで点灯し、昼間とはまた違った表情で道頓堀の夜を彩ってきた。
約12年間にわたり親しまれてきた現在のグリコサイン。その姿を写真に収められるのも残りわずかとなる。大阪を訪れる予定があるなら、ぜひ11月末までに立ち寄り、6代目ランナーとの記念の1枚を残しておきたい。
初代は高さ33メートル!時代とともに進化してきた歴代グリコサイン
グリコサインの歴史は、今から90年以上前の1935年にさかのぼる。創業者の江崎利一が、人通りの多い道頓堀のこの場所に目をつけ、初代のネオン塔を建設したのが始まりだ。初代は、なんと高さ33メートル。ランナーとグリコの文字が6色に変化し、毎分19回点滅する花模様も取り入れられていた。当時としては画期的なネオン塔で、たちまち大阪ミナミの名物となった。しかし1943年、戦況の悪化に伴い、鉄材供出のため撤去されることになった。
戦後の1955年に登場した2代目は、さらにユニークなものだった。高さ21.75メートルのネオン塔の下部には特設ステージが設けられ、大きなワニの人形がピアノを弾いたり、人形劇やロカビリー大会が開催されたりしていたという、にぎやかな仕掛けがあったそうだ。
1963年に登場した3代目は、なんと噴水付きのネオン塔。150本のノズルから合計12トンの水が噴き出し、12色のランプ400個が水を照らして虹のような模様を描いた。広告看板という枠を超え、街を訪れる人々を楽しませる存在だったことがうかがえる。
1972年に登場した4代目は、背景に描かれた陸上競技場のトラックが点滅することで、ランナーが走っているような躍動感を演出。看板を背景に記念撮影する光景も多く見られた名物看板だった。
1998年に登場した5代目では、ランナーの背景に大阪城、海遊館、大阪ドーム、通天閣という大阪を代表する4つの建物が描かれた。さらに背景の色が朝から昼、夕焼け、夜へと変化し、ランナーが大阪の街を一日かけて走り抜けるような演出が施されていた。
そして2014年、現在の6代目が登場。LEDを使った映像演出へと進化し、道頓堀の夜景を彩り続けてきた。
歴代グリコサインの姿をもっと詳しく知りたい人は、大阪市西淀川区にある「江崎記念館」に足を運んでみるのもおすすめだ。館内には初代から5代目までのグリコサインと、当時の周辺風景を再現したジオラマが展示されている。また、Web-VRコンテンツでも公開されているので、自宅にいながら歴代のグリコサインを楽しむことができる。
あのランナーは100年以上前に誕生!変わらず受け継がれる思い
時代とともに姿を変えてきたグリコサインだが、中心に描かれたランナーには、実は看板よりも長い歴史がある。ランナーのマークが誕生したのは1920年。創業者・江崎利一が掲げた「食品による国民の体位向上」という創業の精神を象徴するものとして誕生した。1922年に発売された「栄養菓子グリコ」のパッケージに採用されたことで、広く知られるようになったという。
両手を上げて前へと走るランナーには、人々のすこやかな毎日と、よりよい未来への願いが込められている。看板のデザインや技術が変化しても、受け継がれてきたランナーの姿。100年以上にわたり親しまれてきたシンボルは、これからも走り続ける。
次はどんな姿に?2027年春の7代目登場にも期待
1935年の初代設置以来、道頓堀の街とともに歩んできたグリコサイン。2003年4月には大阪市の「大阪市指定景観形成物」(現在の「大阪市都市景観資源」)にも指定され、街の景観を形づくる存在となっている。また、現在の6代目は観光名所としてだけでなく、世界糖尿病デーに合わせた健康啓発の映像や、大阪府警察と連携した青少年の非行防止に関する情報を発信するなど、地域の安全・安心なまちづくりにも役立ってきた。
2027年春に登場する7代目は、どのような姿で道頓堀を彩るのだろうか。新しいグリコサインへの期待が高まる一方、約12年間にわたり親しまれてきた6代目とも、まもなくお別れとなる。大阪を訪れた際には、戎橋からおなじみのランナーを眺め、同じポーズで記念撮影を楽しんでみてはいかがだろうか。今しか撮れない6代目との1枚が、大阪観光の特別な思い出になりそうだ。
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