スマホを開けば、ついつい見入ってしまうTikTokやYouTubeのショート動画。2026年には市場規模が約1530億円へ拡大すると予測され、企業や行政も続々と参入している。

だが実は、スマホもTikTokもなかった1999年に「これからは短い映像の時代が来る!」と確信し、日本にショート動画文化を根付かせた先駆者がいる。俳優の別所哲也さんだ。
朝のラジオやドラマ・映画でおなじみの別所さんは、アメリカでショートフィルムに衝撃を受けて帰国後、映画祭を立ち上げた情熱の持ち主。当時は「商売になるのか」と疑問視されながらも情熱を注ぎ続け、ジョージ・ルーカス監督も応援する世界的な映画祭、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」へと成長させた。
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25年以上前から“短時間で心を揺さぶる映像の力”に向き合ってきたパイオニアに、一瞬のバズで終わらせない「持続的なブランド資産を作る動画戦略」を聞いた。

先駆者・別所哲也さんが語る、ショート動画の「今」と「これから」
25年以上前から「ショート動画」の可能性を信じ、第一線を走り続けてきた別所哲也さん。今やブームを超えてビジネスの主砲となった「短尺映像」の未来と、単なるバズにとどまらない「ファン作りの本質」について別所さんが自らスタートした「Visual EXPO by BRANDED SHORTS」の会場で語ってもらった。
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――長年続いてきた映画祭の取り組みを、なぜ今「ビジネスの場(EXPO)」へ広げたのでしょうか?
映画祭の公式部門として企業や自治体が作るショートフィルムを評価する「BRANDED SHORTS」を始めて10年。ここに集まる映像はCMや広告映像の枠を超えて、経営理念を届けるPRや採用(HR)など、組織の根幹を支える資産へと進化しました。
11年目を迎え、単なる評価の枠を飛び出し、事業創出や課題解決にダイレクトに結びつく場を作りたいと考えました。企業が抱える「伝えたい想い」とクリエイターの「人を惹きつける力」が直接出会い、対等なパートナーシップで新しい価値を生むエコシステム。そのための「博覧会=Visual EXPO」への拡張なんです。
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――一瞬で「バズる動画」と、見終わったあとに「ファンになる動画」の違いとは?
「バズる動画」は一瞬のインパクトでパッと目を引くスポットライトのような存在です。一方「ファンになる動画」は、見終わったあとに「心の余白」と「誠実なストーリー」を残します。
単なるスペック説明ではなく、「なぜこの活動をしているのか」という哲学や情熱が流れているからこそ、観た人が共感してファンになる。一時的な消費型の映像か、心に根を張り持続的な「ブランド資産」になる映像か。その差は物語の誠実さと普遍的な人間ドラマがあるかどうかです。
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――AIで簡単に動画が作れる時代に、「人が作る動画」の価値はどう変わりますか?
私自身「AI別所哲也」というプロジェクトを通じてAIの可能性を感じていますが、AI時代だからこそ「人間にしか作れない泥臭さや情熱」の価値が際立ちます。
人間が生きるなかでの葛藤や生の体験から湧き出る愛、計算不可能な偶発性(セレンディピティ)。完璧に計算された映像を超えたところにある“熱量”こそが人の心を動かします。作業をAIという相棒に委ねられるからこそ、人間は「なぜ今、この物語を届けるのか」という本質に集中できるようになるのだと思います。
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「かっこいい映像を作らなきゃ」「バズらせなきゃ」と肩肘を張る必要はありません。大切なのは、みなさんの中にある「嘘のない情熱」を素直に開示すること。ぜひあなただけのストーリーを映像に乗せて、世界へ踏み出してみてください。


魂のこもったストーリーこそが、最強の「ブランド資産」になる
ショート動画市場の急拡大やAIの台頭により、誰でも簡単に映像が作れるようになった現代。だからこそ、一瞬で消費されるインパクトだけの「バズ」だけではなく、企業の思想や人間の熱量を丁寧に紡いだ「ストーリー」の価値が見直されている。
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パイオニアとして25年以上も短編映像と向き合ってきた別所さんの言葉が示す通り、テクノロジーが進歩した今だからこそ、自社の中に眠る嘘のない哲学や情熱を誠実に映像へ乗せること。それこそが、時代を超えて人の心に根を張る「最強のブランド資産」になっていくはずだ。

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