歩いているだけでスズメやカモなどの動物たちに囲まれ、出勤するのもひと苦労!? NANNOさん(@nanno_koresiki)の創作漫画『動物にモテるサラリーマンの受難』は、動物に好かれるというレベルを超えた主人公・半田の受難を描くシュールなギャグ漫画だ。SNSで約3年にわたって投稿され、読者から反響を集めた本作が書籍化。今回は、作品の見どころや制作の裏側についてNANNOさんに話を聞いた。
モテる男はツライよ!?「遅刻カモー!」 動物にモテすぎるサラリーマン、出勤すら危ういツライ日々
動物に好かれるどころか、もはや取り囲まれる半田
犬が寄ってきたり、座っていると猫が膝に乗ってきたり。動物に好かれる人と聞けば、そんな光景を想像するかもしれない。しかし、主人公の半田はひと味違う。公園で考えごとをしているだけで、周辺に生息する動物たちが集まり、気付けば取り囲まれてしまうのだ。好かれっぷりは読者の想像を超え、思わず笑ってしまうほど。背景に登場する動物たちも、それぞれ表情豊かに描かれているのが見どころだ。
本作の連載が始まったのは2018年12月ごろ。途中で留学や別の連載のために約1年の休止期間を挟みつつ、合計約3年にわたってTwitterやnoteで発表してきたという。NANNOさん自身も「誰に頼まれたわけでもないのに、よくそんな長い期間黙々と1人で描き続けたな、と我ながら思います(笑)」と振り返る。
漫画を描く練習から始まった作品が書籍化!
もともとデザイナーや商業イラストレーターとして活動していたNANNOさん。あるとき、誰かに依頼されるのではなく、自分から発信する作品を作りたいと思うようになり、以前から憧れていた漫画に本気で挑戦することを決めた。「動物にモテるサラリーマンの受難」も、漫画を描く練習の一環としてスタートした作品だ。まだ拙くても、とにかく世に出そうと考え、2018年秋ごろからSNSへの投稿を始めたという。
念願の書籍化については「とっても嬉しいのですが、正直あんまり実感が湧きません(笑)。それくらい出版は人生目標でしたので」と喜びを語る。一方で、細部までこだわって本を作ったことから、「無事に良い本が出来た!という達成感はあります」と手応えも感じているそうだ。
紙の本ならではの仕掛けと、動物たちの感情
書籍版で特にうれしかったのは、紙媒体ならではの表現を取り入れられたこと。見開きページの演出に加え、漫画を買うとカバーをめくって本体表紙のおまけを確認するのが好きだったNANNOさんには、ずっと実現したいことがあった。「いつか自分が本を出す際には、絶対カバー下にオマケを載せたい!」という憧れが、今回ついにかなったのだという。
お気に入りのシーンとして挙げたのは、「遅刻カモー!」という場面での半田の疾走感。さらに、単行本用の描き下ろしにも気に入っているシーンがあるそうで、ヒントは「残像」だという。どんな場面なのか、実際に本を手に取って確かめたくなる。
また、NANNOさんがこだわっているのは、動物たちの造形だけではない。「実は『感情』にもこだわって描いています。別のキャラがメインで喋っている時でも、動物達はそれぞれに何かを見てたり、動いたりしているので、動物の気持ちを想像しながら読んでいただくと、より面白いかもしれません」と話す。主人公の周囲で繰り広げられる動物たちの動きにも注目すると、作品をさらに楽しめそうだ。
動物たちに囲まれ、日常生活にも支障が出そうな半田の姿は、読者に笑いと癒やしを届けている。動物たちの愛情があふれすぎるシュールな世界を、ぜひ楽しんでほしい。
■取材協力:NANNO(@nanno_koresiki)
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