
ヘッドフォンの音量が大きい!と若者の襟首を掴んで怒号を浴びせたサラリーマン。若者を突き飛ばして、店を去る。飲食店で揉め事に遭遇した女性は「そこまでしなくても…」と言う思いが募り、突き飛ばされた若者に「大丈夫ですか?」と、優しく声をかけた。すると、若者から悪意しかない言葉を浴びせられた――福々ちえ(@fukufuku_comic)さんの『モヤモヤ社畜OLと、勇気のマサラカリー』には多くのいいねが届き、勇気を出した声かけやその後の展開に「いい話」「勇気を出すって素晴らしい」などのコメントが集まっている。福々さんは、漫画家&イラストレーターとして活動中。現在は、『4年付き合っても、結婚してくれない彼と別れました』をX(旧:Twitter)で毎日投稿している。また、「お金がないと幸せになれない」と思っていた女性が、稼いでも稼いでも孤独や不安感が消えないコミックエッセイ『稼いだら幸せになれると思ってた』などの著書も手掛けている。今回は本作について福々さんに話を聞いた。
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モヤモヤにはスパイスカレーが効く!?



本作「モヤモヤ社畜OLと、勇気のマサラカリー」は、カレー屋で起こった“あること”をきっかけに、主人公の行動が変わっていくお話。実は実体験が元になっているようで、作者の福々さんに話を聞いてみると、「昼間の駅で揉めてる人を見たんですよね。サラリーマンの方が、同じくサラリーマンの方の襟首を掴んで叫んでいて。『何事!?』と思ったと同時に、“私これ見なかったことにして通り過ぎていいのかな”と自問自答しました。こういう自分の『正しさ』を揺さぶられる瞬間ってあるなぁ、と」と語った。そのとき実際に抱いた感情が今回のストーリーにも反映されているようだ。
また、同じ現場に居合わせた女性を主人公にした「仕事のできる女と、怒りのバターチキン」の制作の裏側について伺うと、「たまたま同じ店にいた女性を視点を変えて漫画にしたのは、より現実世界をやさしく受け止めてもらえたら、との思いからです」と語る福々さん。同じ出来事を経験していても、視点が変われば見えるものも変わる。そんな違いを描くことで、世界はより複雑であり、ひとりひとりにそれぞれの物語があることを感じさせてくれる作品となっている。
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自身の作品のテーマについて「私の漫画は、人間讃歌がテーマです。悪者はいません。悲しい人や弱い人がいるだけです」と話しているように、うまくいかない人間関係も、それぞれの立場に立ってみると案外分かり合えることもあるのかもしれない。どこか不器用で憎めない“人間らしさ”がつまった福々さんの作品を、ぜひ読んでみてほしい。
■取材協力:福々ちえ(@fukufuku_comic)
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