※本作は著者の闘病体験を描いたコミックエッセイです。紹介している病状や治療の経過には個人差があり、医学的な見解を代弁するものではありません。気がかりな症状がある場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。
コミックエッセイ「父が全裸で倒れてた。」は、母を看取ってから約2年後、今度は父が病に倒れてしまう物語だ。母の介護・看取りを経たことで落ち着いて対応できることは増えたものの、頼れる家族がいない一人っ子として、さまざまな決断を迫られることになるキクチさん。いつかは誰もが直面する“親の老いと死”についてお届けする。
続きを読む
今回は、無事に父親からサインをもらうことができ、手続きがスムーズに進む中で、キクチさん自身に異変がおきるエピソードを紹介する。
複雑な手続きと周囲の支え
前回の話で、父親の保険代理人になるためには、父自身のサインが必要であることがわかった。果たしてサインは書けるのか。心配をよそに父はしっかりとサインを書き、意思の疎通も取れたことで、キクチさんの心も少しは安らいだだろう。
「ICUの個室に移ったことということは、以前より何かしら状態が悪くなっているということ。なのでこの日は保険屋さんに行ったことだけ報告して、サインはまた今度でいいやと思っていました。ですが私の予想はハズレて、ヘロヘロながらもサインを書き、さらには思いもかけず感謝と労いの言葉ももらって、とても心が高揚しました。つらい日々もありましたが、粛々と頑張り続けてよかったなと思えました」
続きを読む
「限度額適用認定証」の発行など、一つひとつ必要な手続きをクリアしていくキクチさん。両親の病気に際して国の制度を利用する機会は人生で何度も起こることではないため、“慣れる”ことは難しい。だからこそ、経験者の体験談から学び、“備える”ことが大切だ。
「父が倒れてあらゆる手続きをする度に『なんて自分は無知なんだろう』と、ありありと実感しました。ですがその度にたくさんの人に助けていただいています。母の三回忌をどうしたらよいかと相談したお寺から始まり、夫、保険屋さん、父が勤めていた企業の年金窓口。さらに漫画には書いていないですが、知人からは高齢者向け住宅に住んでる方の話も聞くことができました。備えられたら安心ですが、すべてを備えることは難しい。だからこそ、時には人のつながりや優しさに頼り、感謝することが大事だと改めて感じました」
続きを読む
好転の兆しとまさかのダウン
主治医から「抗がん剤が効いている」「一般病棟に戻れる」といううれしい言葉を立て続けに聞き、事態は久々に好転の兆しを見せる。しかし、張り切って無理をしてしまったのか、今度はキクチさんがインフルエンザに罹患してしまう。
「久しぶりによい経過報告で、本当にうれしかったです。大好きなインドカレーも食べることができ、よい気持ちで年末を迎えられると思っていました。そんな時にまさかのインフルエンザ。おそらく毎日病院に行っていたので、多くの人の菌に触れていたことと、疲れと安堵から免疫力が崩壊したのでしょう。ちなみにこの時は能登半島地震があり、身体だけでなく、メンタルもダメージを受けてしまいました」
続きを読む
父親の容体が好転に向かう一方で、無敵モードだった自身の体に異変が現れた今回。つらい状況も淡々と、時にクスリと笑える場面を挟みながら描くキクチさんの漫画を、今後も楽しみにしてほしい。
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
記事一覧に戻る