
郵便局の窓口で、「なんでわかっちゃったのかな?紙に包んで封筒に入れたのに」と頭を抱えている客がいた。普通郵便で現金を送ろうとしたことが発覚し、郵便物を返還されたところだった。現金書留以外の郵便で現金を送ることはできず、郵便法第84条では、発見された場合、配達されず差出人に返還されることになっている。




手触りでわかる現金、感情を読み取る局員の“センス”
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返還されて頭を抱える客に「それがわかっちゃうんだよね…」と笑いを送る局員がいた。M支店のTさんだ。現役の郵便局員である送達ねこ(@jinjanosandou)さんが描いた『Tさんのセンス』は、郵便物からさまざまなことを察する不思議な能力を持ったTさんのエピソードである。
長年仕分けをしている局員は、手触りや勘で現金が入っているかどうかわかるという。しかしTさんは、「ん〜、指がアツい!きゅんきゅんする。こりゃラブレターだぜ」など、封書の中から感情のようなものを感じ取る能力を持っていた。ある日、問題の手紙が届くと、Tさんはすかさず「その手紙。悪意がすごい。持ってると具合悪くなるかも」と言い放つのだった。
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「触って悪寒する封書ある」同業者から寄せられた戦慄の体験
本作をX(旧Twitter)に投稿すると、全国の同業者から「自分もわかる!」「ホント、触って悪寒する封書ある」「指が喜ぶってか、あったかくなるときある」など、大きな反響が届いたという。
送達ねこさんによると、配達員から「嫌な郵便の感覚を覚えている」という恐ろしい体験談も寄せられたそうだ。ある家に手紙を届けるとき、たまに背中に冷水を浴びたようなゾッとする感覚があったという。気になっていたところ、のちにその家の女性が別居中の元夫に刺殺される事件が発生。「嫌な感じの手紙は元夫からだったのかもしれない…」と複雑な心境になったものの、周囲には話せず、10年以上も胸の内に秘めていたという。
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積年の怨みがびっしり…郵便物に宿る人の思い
郵便自体が「人の思い」を包むものであるため、敏感な人なら感じ取ることがあるのかもしれない。送達ねこさんは、別の内務員から聞いた話として、保管郵便のなかに「なんともいえない嫌な手紙」があったエピソードも教えてくれた。
宛先不明で保管されている手紙について問い合わせがあり、局員が束を調べた際、なぜか不快で手が止まる封書があった。保管期限を過ぎて開封したところ、名宛人への積年の怨みがびっしりと書かれていたそうだ。先の事件の話と同様に、「この嫌な感じは?」と考えていたところに答え合わせがあると、周囲には話せない事情として発覚することが多いという。「不思議な感覚があってもオープンにせず、胸にしまっている人も少なくないのでは」と送達ねこさんは推測する。
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郵便配達員たちが実際に経験した不思議な話や怖い話を集めた『郵便屋が集めた奇談』は、読者から「こういう不思議で怖い話って好き」と好評だ。日本のどこかの町でひっそりと起こっている“怪異”を覗き見してみてはいかがだろうか。
取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)
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