2026年8月21日より全国公開された『ドラマなふたり』は、人気俳優のゼンデイヤとロバート・パティンソンが、結婚を控えたカップルを演じた“地獄のウエディングロマンスストーリー”。公開前に試写で観た本作の感想を紹介(以下、ネタバレを含みます)。

【ストーリー】
ボストンのカフェで運命的な出会いを果たしたチャーリー(ロバート・パティンソン)とエマ(ゼンデイヤ)は、このうえなく幸せな日々を送っていた。
結婚式まであと7日と迫った夜、付添人の親友夫婦と4人での食事中、これまでにやらかした最悪の行いを告白することに。
軽い気持ちで始めたゲームだったが、エマの「最悪の秘密」に全員がドン引き。チャーリーは、“エマには想像を絶する別の顔があるのではないか?”と恐れを抱く。
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幸せの絶頂は一転、疑心暗鬼のどん底へと墜落するが、結婚式の準備を止める術はなく、ついに当日を迎えるのだった…。

ロバート・パティンソンとゼンデイヤが強烈な試練を乗り越えようとするカップルの姿を好演!
本作の監督と脚本を務めたのは、『シック・オブ・マイセルフ』(2023年)がカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、ノルウェーのアカデミー賞と言われるアマンダ賞では5部門にノミネートされた北欧の鬼才、クリストファー・ボルグリ。この作品でボルグリの比類なき才能に惚れ込んだアリ・アスターが、ニコラス・ケイジ主演の『ドリーム・シナリオ』(2024年)と、本作を立て続けにプロデュースした。
ケンブリッジの出版社に勤める文芸編集者エマを演じたのは、『スパイダーマン』シリーズ(2017、2019、2022、2026年)や『DUNE/デューン』シリーズ(2021、2024年)、製作も務めた『チャレンジャーズ』(2024年)など、話題作に引っ張りだこの人気俳優であるゼンデイヤ。
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『スパイダーマン』シリーズのMJや『DUNE/デューン』シリーズのチャニを演じるゼンデイヤも魅力的だが、個人的には『チャレンジャーズ』で2人の男性を翻弄する小悪魔的な役を演じる彼女の芝居が大好きだった。
そんなゼンデイヤが、結婚を控えたカップルの1人を演じると知ったときから期待しかなかったが、本作の彼女はこれまで演じてきたどの役柄とも違うチャーミングさを発揮しており、“そりゃ彼氏のチャーリーもメロメロになるわ”と納得な芝居で楽しませてくれた。

外見にも恵まれた優秀な美術館キュレーター・チャーリーを演じたのは、『TENET テネット』(2020年)や『THE BATMAN ―ザ・バットマン―』(2022年)、『ミッキー17』(2025年)などの超大作から本作のようなアート系まで幅広い作品で魅力を発揮してきたロバート・パティンソン。
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彼のことは映画好き仲間の間で“ロブ様”と呼んでおり、出演作を観たあとは必ず「ロブ様のこのシーンの表情がよかった」「ロブ様のあのセリフの言い方が最高だった」など、好きなポイントを語り合うぐらい彼のことが大好きである。
最近はバットマンや、『ミッキー17』の何度死んでも新たな肉体を得ることができる男など、変わった役を演じることが多かったロブ様が、久々にごく一般的な男性(イケメンすぎるが…)を演じている。しかもゼンデイヤと恋人役である。これだけでも鑑賞料金を払う価値があるので、ここまで読んで興味を持った方は今すぐ劇場へ足を運んでほしい。
ちなみに、ゼンデイヤとロブ様は9月11日公開の『オデュッセイア』と12月に公開予定の『デューン 砂の惑星 PART3』という2作の大作映画でも共演しており、こちらもぜひチェックしてもらいたい。
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エマの衝撃的な告白をきっかけに、彼女の宿敵となる花嫁付添人レイチェルを演じるのは、3姉妹バンドであるハイムのシンガーソングライターで、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『リコリス・ピザ』(2022年)では世間から大きな注目を集めたアラナ・ハイム、チャーリーの親友でレイチェルの夫マイクを、ヨルゴス・ランティモス監督の『憐れみの3章』(2024年)に出演したモーリタニア系アメリカ人俳優のママドゥ・アティエが演じている。

“最悪の秘密”をきっかけに信頼関係が揺らいでいくエマとチャーリーの姿が、観る者の心をかき乱す!
物語の冒頭、知的な雰囲気を漂わせた美男美女のエマとチャーリーは、誰もが羨む理想のカップルになる。2人がただイチャイチャしているシーンは見ているこっちまで幸せな気持ちになり、まさかこのあととんでもないことが起きるなんて予想もしていなかった。
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出会いから2年のときを経て、ついに結婚を決めた2人は、付添人を頼んだマイクとレイチェルとともに、披露宴のメニューを決める試食会に参加する。酔いが回ってきたころ、4人は「これまでにやった一番ひどいこと」を暴露し合うことになり、マイク、レイチェル、チャーリーは“こいつヤバい奴やん!”と言わずにはいられないような過去の行いを告白する。
そしてエマの番になり、彼女が10代のころ、実行こそしなかったものの、恐ろしいことを計画していたことを打ち明けると、3人はドン引き。その瞬間からレイチェルはエマに対して嫌悪感を露わにし、チャーリーも彼女に対して不信感を募らせていく。
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エマがどんな最悪の秘密を告白したのかは伏せるが、個人的にはマイク、レイチェル、チャーリーもそれなりにひどいことを“実行”しており、“実行しなかった”エマのほうがマシなんじゃないか?と思えた。それに適当に作り話をしてもバレないはずだが、なぜこのタイミングでみんな正直に話したのかがわからなかった。

エマのダークな部分を知ってしまったことで、態度を変えていくチャーリーに対して、“気持ちはわからなくもないけど、エマは犯罪者ではないんだし、それぐらいのことで気持ち揺らぐなよ!”と、怒りが湧いた筆者。
エマは葛藤するチャーリーの側で、不安を抱えながら日々を過ごすようになる。“最悪の秘密”をきっかけに、信頼関係が揺らいでいく2人の姿に心をかき乱された。
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過去の恋愛を思い返してみると、筆者も何度か相手にドン引きされた経験がある。たとえば、ホラー映画が好きなこと、なかでもゾンビ映画が大好きで、友人たちとゾンビが出るショートムービーを作ったことがあると彼氏に打ち明けたとき、「うわぁ…そ…そうなんだ。僕はホラー映画ダメなんだよね。特にグロいのは無理…」みたいなことを言われ、そのすぐあとお別れすることになった。ホラーが苦手な男なんてこっちから願い下げだが、その後お付き合いした人にどのタイミングで言うかを迷うようになってしまった。
恋人に正直に話すことで関係が拗れるぐらいなら、秘密にしておいたほうがよいのかもしれないが、本作のように思わぬタイミングでバレてしまう可能性もある。最近だとドラマ『Tシャツが乾くまで』で、夫に失踪癖があること、妻に離婚歴があることを結婚後に知るという恐ろしい描写があったが、だからと言って“知らないほうがよかった”とも思えず、観ていて複雑な気持ちになった。
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“相手のすべてを受け入れられるほどの強い愛があれば、ずっと一緒にいられるのだろうか?”…そういったことを、誰かと語り合いたくなる本作。ぜひ劇場で鑑賞してもらいたい。




文=奥村百恵
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