
素晴らしい作品に出合ったとき、最初の感動や衝撃をもう一度味わいたくて「記憶を消したい!」と思ったことはないだろうか。それは一見夢の技術のようにも思えるが、想定外の副作用もあるもので……。
タカノンノ(@takanonnotakano)さんのオリジナル漫画「記憶を消して読みたい漫画」は、X(旧Twitter)上で3.4万件以上のいいねとともに、「本当に好きな話」「考えさせられるおもしろい作品」と読者からさまざまな反響が寄せられている作品だ。新人漫画家と、彼女の古くからの友人で、「記憶を消すアプリ」の開発者の2人を軸に描かれた中編は、コミカルながらも「作品の記憶」について考えたくなるテーマを帯びている。そんな同作の舞台裏を、作者のタカノンノさんに取材した。
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「記憶を消してもう一度読みたい」からはじまった予想外の物語



本作「記憶を消して読みたい漫画」の着想について、作者のタカノンノさんは「おもしろい作品を見たり読んだりした人が『記憶を消してもう一度最初から見たい・読みたい』という感想を言っているのをよく聞くけど、『本当に消すことができたらどうなるだろう……』と、担当編集者さんと雑談したことがきっかけです」と明かす。そこから想像を膨らませ、2人の物語へと落とし込んだという。
本作はコミカルなやりとりの一方で、緊張感も漂っている。その独特の温度感については「『状況はヤバそうなんだけど、少し間の抜けた雰囲気も漂っている』くらいの温度感が、題材的にも私の描きやすさ的にも丁度いいかなと思って演出しました」と語るタカノンノさん。さらに森と江波について「互いに惹かれ合ってるんだけど同時に嫉妬心も抱いてる」という関係性が「もう大好物」だと話している。
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また、「創作」を題材にする理由については「何かを創り出してそれが自分や他人の救いになる構図って美しいなあという思いもあったりする」と、タカノンノさんはコメントを残してくれた。記憶、友情、嫉妬、そして創作への愛情が交差する本作は、「もう一度初見で楽しみたい」と思った経験のある人ほど、さまざまな問いを投げかけられる作品となっている。
取材協力:タカノンノ / くらげバンチ(新潮社)
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