
「憧れのカーディーラーに就職したけれど、入社して2カ月経ってもまだ1台も車が売れない……」




そんな焦りと葛藤を抱える新人営業マンの日常と成長を描き、WEB漫画賞「クニエ漫画グランプリ2021」でSNS読者賞を受賞した話題作がある。漫画家のみこまる(@micomalu)さんが手掛ける『田端、明日は売るつもり!』だ。
2026年7月現在も、働く人々の共感を呼ぶお仕事コミックやビジネスの現場を描いた漫画が多くの注目を集めるなか、今回は顧客の見た目や先入観にとらわれて失敗を経験する新人の苦悩と、カーディーラーのリアルな裏側について、作者のみこまるさんへのインタビューを交えて紹介する。
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見積書作りに夢中で目の前のお客様を放置
主人公の田端は、カーディーラーに勤務する2カ月目の新人営業マン。同期や先輩たちが実績を上げるなか、未だに契約を1台も取れていないのは彼1人だった。「とにかく1台売りたい」という焦りばかりが先行する田端は、ぐずる子どもを連れた家族連れに配慮できず黙々と見積書を作り続けてしまったり、顧客の本当のニーズに目を向けるゆとりを持てずにいた。
そんなある日、泥だらけの農作業姿で古い軽トラに乗ったおじいさんが店舗へとやってくる。試乗を希望するその男性を見た田端は、忙しさを理由に「この見た目じゃどうせ購入する気がないだろう」と自分勝手に決めつけ、同僚に接客対応を押し付けてしまうのだった。
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しかし、先入観を持たずに誠心誠意の接客を行った同僚が導き出した結果は、田端の想像を遥かに超えるものだった——。
実話取材から生まれたリアルなドラマ
農作業姿のおじいさんにまつわる印象的なエピソードについて、作者のみこまるさんに伺うと、取材先での驚きの裏話を明かしてくれた。
「これは取材先の店長さんの実話エピソードでした。軽トラでやってきたおじいさんは、見た目とは裏腹にそれはそれは豪邸にお住まいだったそうです」
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見た目や第一印象だけで顧客の購買意欲や背景を判断してしまう危険性と、一見すると地味に見える対話の中にこそ大切な鍵が隠されているという教訓。みこまるさんは制作時にアンケートや取材を実施し、「日々さまざまな場面に出くわしているのだなと実感しました。困ったお客さんやトラブルも含め、お客さんの数だけドラマがあって面白かったです」と語る。
また、月1回の連載形式だったことから、「時間が空いても、初めて読む人でも楽しめるように毎回読み切りのような構成を意識しました」と工夫を明かす。
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人生の中でも大きな買い物である「自動車」。高額だからこそ、1台を売るプロセスの裏には時間や手間、そして人と人との濃密なドラマが存在する。田端が失敗を通して「仕事とは何か?」「モノを売るとはどういうことか?」を学んでいく姿は、日々現場で奮闘するすべての営業マンや働く人々の心に深く響くはずだ。
取材協力:みこまる(@micomalu)
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