
「お買い物袋はございますか?」と聞かれて「はい」と答えたのに、袋をつけてもらえなかったーー。そんなスーパーのレジ前で誰もが一度は経験したことがあるかもしれない「言葉の行き違い」。丁寧すぎる日本語が仇となり、店員と客の間で真逆の意味に捉えられてしまう日常のトラブルをコミカルに描いた、狸谷(@akatsuki405)さんの漫画『チェッカー鳥海さん、レジまでお願いします』の「解釈違い」が、SNSを中心に多くの接客業従事者や買い物客の間で共感を呼んでいる。
2026年7月現在も、レジ袋の有料化定着に伴う声掛けの難しさや、多様化する客層への対応が注目されるなか、今回は「はい」や「大丈夫」という言葉に隠されたコミュニケーションの盲点を紹介。会話の違和感を解消するための工夫について、作者の狸谷さんへのインタビューを交えてお届けする。
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聞き方を変えたら新たな誤解が。「買います」と「断り」の境界線にある曖昧なコミュニケーション



物語は、レジのチェッカー(会計担当)がレジ袋の有無を尋ねる場面から始まる。店員が「お客様、お買い物袋はございますか?」と尋ねると、客は「はい」と回答した。そのため店員は「マイバッグを持っているのだな」と解釈したが、実はその「はい」は「袋を買います」という意味だったことが後から判明する。
店員は自分の言い方が悪かったのかもしれないと反省し、次は「お買い物袋はお持ちですか?」と聞き方を変えてみた。すると、今度の客からは「大丈夫です」という答えが返ってくる。店員は「(持っているから)不要、大丈夫」と捉えたが、客側の真意は「(有料で買っても)大丈夫」という意味だった。肯定とも否定とも取れる「はい」や「大丈夫」という言葉は、何に対して発せられているのかによって、レジ前で最も解釈違いが起きやすい危険なフレーズなのだ。
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狸谷さんは、レジ袋以外にも売り場で頻発する言葉の行き違いについてこう語る。
「お客様は『レース糸』を探していて、店員は『冷水筒(れいすいとう)』だと解釈して行き違いが起きたり、お客様が欲しい商品を違う名前で記憶していて、目当ての商品に辿り着くまで時間がかかったりすることがあります」
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留学生や海外からの客にも伝わる工夫。会話の違和感を見逃さないチェッカーの生存戦略
こうした聞き間違いや勘違いによるトラブルを防ぐため、狸谷さんは現場で実践している確実なアプローチを明かしてくれた。
「とりあえず会話に違和感を感じたら、その場ですぐに聞き直すことを徹底しています。最近は留学生の方を含め、海外からのお客様も多いので、より主語を明確にして、わかりやすく聞くように心がけています」
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丁寧な敬語を使おうとするあまり、かえって意味が曖昧になってしまう日本の接客。現場のチェッカーたちの細やかな機転と「わかりやすさ」への配慮によって、日々のスムーズな買い物が支えられている。
同じ接客業の「あるある」を詰め込んだ事例は、LINEスタンプとしても展開中だ。狸谷さんは「現在、チェッカー鳥海さん 第2弾のLINEスタンプが配信中です。文字なしのリアクションスタンプなので、日常のさまざまなシーンで使いやすいと思います。第2弾も、ぜひよろしくお願いします」と笑顔を見せる。レジ前のささやかな会話に潜むズレと、それを防ぐプロの技。読めば次からの買い物の仕方が少し変わるかもしれない本作を、ぜひチェックしてほしい。
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■取材協力:狸谷(@akatsuki405)
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