
学校という日常の空間に、突如として現れた謎だらけの転校生。本名も、出身地も、趣味もすべてが「ヒミツ」だと言い張る彼女の本当の目的とは一体何なのか。2024年10月17日時点でX(旧Twitter)にて4万5000以上のいいねを集め、その美しくも切ない結末に「泣いた」「ハッピーエンドで本当によかった」と絶賛の声が相次いでいるのが、漫画家・牧彰久(@aki_maki)さんの創作漫画『ヒミツだらけのあの子の正体』だ。
今回は、クラス中を困惑させるワケあり転校生と学年トップの孤高の男子生徒が織りなす謎解きラブコメディーの魅力をご紹介。さらに、新人賞を受賞した思い出深い本作の舞台裏や、2026年6月現在手がけている最新作の活動について、作者の牧彰久さんへのインタビューを交えてお届けする。
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「私の正体を暴いてください!」謎の少女の意図



物語は、あるクラスにやってきた転入生の紹介シーンから始まる。担任の教師が「山田花子(仮名)さんだ。訳あって本名は公表できないそうだ」と告げると、教室には大きなどよめきが走った。どこから来たのか、趣味は何なのか、生徒たちが尋ねても彼女は「ヒミツです」と笑顔でかわすばかり。「私のことは何も話せません。その理由も言えません」とフレンドリーな態度とは裏腹に徹底して心を閉ざす彼女に、気味悪がったクラスメイトたちはクモの子を散らすように離れていってしまった。
そんな謎すぎる転校生に、クラスの男子たちは興味津々。しかし、学年トップの成績を誇る日向和彦だけは「興味ないな」とそっけない。「無駄な時間は排除する」と冷徹に言い放ち、学校でも周囲を寄せ付けずに勉強ばかりしている和彦は、クラスの誰からも怖がられる存在だった。
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ところが、そんな孤高の和彦に、山田花子が不敵な笑みを浮かべて急接近する。「私の正体を暴いてください!」と、唐突に正体当てゲームを持ちかけたのだ。和彦は「こんなゲーム速攻で終わらせてやる」と鬱陶しがりながらも、彼女の正体を暴こうと躍起になっていく。しかし、彼女の行動や素顔を知れば知るほど、和彦の胸の奥にある記憶が揺さぶられ、彼女が昔どこかで知り合った大切な少女の面影に重なっていく。
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7年前の新人賞受賞作が今スカッと大バズり
ストーリーが進むにつれ、和彦がなぜ周囲を拒絶して勉強ばかりしていたのか、その切なすぎる理由と過去の伏線が回収されていく。作中で特に印象的な、山田花子がパフェを食べて突然涙を流すシーンや、それに連動して和彦の脳裏をよぎるフラッシュバックの演出には、読者を惹きつける計算された構成があった。
本作を執筆した時期について、牧彰久さんは「2017年ですね、もう7年前!時が経つのは早いです……」としみじみ語る。当時の創作のきっかけと、こだわった構成について次のように明かしてくれた。
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「当時、漫画の新人賞に出すために描いた作品でした。無事受賞しまして、たいへん思い出深い作品となりました。パフェで泣くところしかり、そのときに起こる主人公のフラッシュバックしかり、今読み返すと読者に『何が起きているんだろう?』と謎を提示し続けていく作品にしているな〜と思いますね。飽きさせずに読ませようという努力が垣間見えます」
拙い部分もあると感じつつも、「ここまで反響があるとは……」と驚きを隠せない牧彰久さん。「それでも『泣いた』とまで言ってくれる人がいるのは、本当にうれしいことです。本当にありがとうございます」と、温かいコメントを寄せてくれた読者への感謝を口にした。
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取材協力:牧 彰久(@aki_maki)
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