突然女の子になってしまった男子高校生が、推しと一緒にトップアイドルを目指す!……と言うには、現実はあまりにシビア!?

伊藤ゆうたさんが週刊ヤングジャンプ(集英社)で連載中の漫画『さよなら僕のアイドル』。アイドルオタクの男子高校生・角田満月(つのだみつき)が、廃部したアイドル研究会を訪れた際に突然、体だけが女性のものになってしまうことから物語が大きく動き出す。

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元の体と日常に戻るには「最強のアイドル」になるしかないと知った満月だが、筋力が減った体は重く、幻肢痛(げんしつう)にもさいなまれてとコンディションは最悪。さらに、運命的な再会を果たした元アイドルで満月の推し・東雲鈴音(しののめりんね)と一緒に部活アイドルを結成したはいいものの、鈴音は情緒不安定。「血ヘドは月に何リットルまで吐ける?」と、アイドルに関することにはブレーキを知らなかった。夢のようなシチュエーションから、悪夢のような現実を戦う、学園アイドルコメディだ。

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制作の舞台裏を、作者の伊藤ゆうたさんに訊いた。
満月は男の娘、しのりんは1コマだけのキャラだった!?『さよドル』の原点
――この作品を描くうえで、最初に「これは描きたい」と思った要素は何でしたか?
【伊藤ゆうた】とにかく「満月という少年を描きたい」と思ったから始まった漫画です。最初は、主人公の満月を女装させて「ライブのたびに踊りながらアドレナリンで……な男の娘アイドルの話」にする予定でした。担当編集と話し合って、無限の可能性があるTS(※創作物における「性別逆転・変身」を指すジャンル名)という形に収まりました。最初の案だと絶対連載できてないので、今の形になってよかったと思います。
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――作品の設定において、執筆前から決めていたこと・執筆中に変わったことはありますか?
【伊藤ゆうた】ヒロインであるしのりん(東雲鈴音)は、最初の予定だと1コマしか出てこないはずでした。「満月の推しだけど問題を起こしてクビになったアイドル」みたいな紹介の仕方で、あとは全部その場しのぎの会話劇だけの漫画にしようかなと思っていたんです。
すると担当編集から「こんなおもしろい子がなんで1コマしか出ないの?」とツッコまれて。そこでしのりんを詳しく描いてみたら今の『さよドル』の第1話の形になって、それで連載が決まりました。うれしい変更点ですね。週刊で漫画を連載していると、こんなことがいくらでもあります。
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――描かれた中で、「ここは特に印象深い」と思う箇所があれば教えてください。
【伊藤ゆうた】第3話(第1巻収録)のオチで、主人公の幼馴染の大地がバスケをして遊んでいるところです。「ああ、かしこそうだけどこいつもちゃんとバカなんだな」とうれしくなりました。
先日発売された2巻の内容だと、第14話「僕たちの性」の中で、大地が格言みたいなことを言うシーンがあるんですけど、そこも印象深いです。「こいつ、面倒くさい幼馴染を納得させるために適当言うのがうまいな……」と思いました。これに関してはぜひ2巻を読んでみてください。深そうで深くないことを言ってます。
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――本作に込めた、作家としての“挑戦”や“実験”があれば教えてください。
【伊藤ゆうた】“挑戦”や“実験”だらけではあります。『さよドル』はいくつか軸があって、その中のひとつに「いかに満月を困らせるか」があります。第1巻では幻肢痛があったり、第2巻でも満月の身体にいきなり大きな変化があったり……。最終的に満月がどんな姿をしているのか楽しみです。

――この作品を通じて、読者に伝えたい“感情”や“メッセージ”はありますか?
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【伊藤ゆうた】「なんかちょっとだけおもしろいな」と毎回思ってくれたら、それがこの漫画のメッセージです。適当に読み飛ばせる中に、ほんの少しの熱さや居心地のよさが残ってくれたら最高です。
――最後に、本作品をどんな人に読んでほしいですか?
【伊藤ゆうた】“バカになりたい人”です。頭空っぽにして熱くなったり笑えたりする漫画であることが『さよドル』の理想です。2巻では新メンバーの加入や満月の身体の変化に焦点を当てていて、「くだらねえ漫画だな」と思えるポイントがたくさんあると思います。アイドル研究会の面々が繰り広げる、わちゃわちゃしていてバカみたいな青春を、ぜひ味わってみてほしいです。
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取材協力:伊藤ゆうた
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