『BanG Dream!』市ヶ谷有咲、『メダリスト』鹿本すず、『ウマ娘 プリティダービー』ヴィブロスなどの声を担当する声優・伊藤彩沙さん。2026年6月24日発売の最新写真集『アヤサージュ』は、20代ラストのタイミングでシンガポールとインドネシア・ビンタン島で“大人な甘さ”をテーマに撮影した意欲作だ。

これまでの集大成とも言える写真集の刊行に際し、伊藤さんにインタビューを実施。「上質です」と自ら太鼓判を押す写真集へのこだわりや撮影の舞台裏はもちろん、20代の振り返りや、話す中で垣間見えた伊藤さんの人生観までたっぷりと話をうかがった。
“綺麗な表情”に伊藤彩沙が並べた“外しの表情”

――写真集を開いて最初のカットがまずかっこよくて、度肝を抜かれました。伊藤さんも3冊目のハードルを越えた感覚はありましたか?
【伊藤彩沙】あります!今回、海外ということもあって撮影が流動的で。「雨が降るかもしれないから、晴れているうちに」と、完成系が想像つかないような状態で写真を撮っていったんです。そうしたらすべての日程で晴れて、おかげで写真の数がめちゃくちゃいっぱいになったんですけど、その時は「どんな写真集になるだろう」と思っていました。写真集が形になった今は、自信作と言えます。
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――今回の写真集でも、伊藤さんから意見を出されている部分は多いですか?
【伊藤彩沙】そうですね。考えていただいたベースに「こういったカットも入れたいです」って提案させてもらったり。
――たとえばどんなカットでしょうか?
【伊藤彩沙】大人っぽいとかかわいいとか、“綺麗な表情”がたくさんある中で、ちょっと茶目っ気のある“外しの表情”みたいなところを入れたいっていうのは言わせてもらったと思います。この怒っているようなカット(※日中のホテルでむくれる表情の写真)も私が入れたいって言った気がします。 私は日常的によく怒っているので(笑)。
――(笑)。そうなんですか?
【伊藤彩沙】これは“リアルな私”です(笑)

――刊行前のコメントに「背伸び」という言葉もあったように、逆にさらに大人の伊藤さんといったカットも多いですよね。
【伊藤彩沙】それで言うと、やっぱり黒いドレスのカット(※夜景にたたずむ写真)辺りですかね。
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――これはシンガポールとビンタン島、どちらで撮られた写真ですか?
【伊藤彩沙】シンガポールです。しかも最終日のオーラスで撮ったカットなんです。だから、最後だからこそのはっちゃけ感もあったし、「この大人っぽさを表現したい」ってドキドキ感もあって。なんて言うんだろう、大人としての緊張感と解放みたいなものをすごくいいバランスで表現できた気がします。

――それでは、伊藤さんご自身で「意外なカット」になったと思う写真は?
【伊藤彩沙】あれもこれも、なんですが……(笑)。黒いランジェリーのカットもすごくハッとしたんですけど、一番最後のカット(白いランジェリー姿のカット)は、この朝の空間で出せる大人っぽさや、今だからこそ出せる余裕感みたいなものがあって。
――今だからこそというのは、30代を目前に控えた20代というタイミングですか?
【伊藤彩沙】そうですね、今が一番大人であって、今が一番若い。30代の手前だからこその雰囲気を出せた、引き出してもらったカットですね。
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――引き出してもらったというのは、たとえばカメラマンの方とのコミュニケーションの中で?
【伊藤彩沙】そうなんですよ。 カメラマンの中村(和孝)さんには、ポージングにおいてめちゃくちゃ導いてもらいました。
――ストーリーが見えるとまた奥深いカットですね。
【伊藤彩沙】実は、これは本当に早朝に撮ったカットで。何とも言えないこのアンニュイ感と、まだ日差しが入りきってない感じ、日曜日の朝みたいな質感まで伝わってくるような写真が、自分で言うのもなんですが美しさも感じられてハッとしましたね。最後が黒じゃなくて白、なところもすごくお気に入りです。未来を感じられるような感じがして。
「伊藤彩沙ができた」自分の内面に気付いていった20代

――アヤサージュは、20代の伊藤さんにとって集大成の1つだと感じます。その20代を振り返って一言で言うなら?
【伊藤彩沙】「伊藤彩沙ができた」。
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――できた、ですか。
【伊藤彩沙】私が「自分を知る」ことができた20代な気がします。10代はやっぱりまだまだひよっこで、子どもだから自分で決断することも少なくて。それから上京して一人暮らしも始めて。お仕事の上でも、自分でどんどん決めて道を選んでいくこと、自分に責任を持つことをどんどんできるようになったかなと思います。
その中で、自分の好きや苦手は何なのか、どういった時に落ち込んで、どういった時にご機嫌になるか、そういう内面を私自身が知ることができていった。ここに来てやっと、私が私を知ることができたかなっていう感じがします。なので、その集大成の写真集を今回出せてよかったなって思いますね。

――たとえば大人像でも、10代の頃と今とで変わったかなと思います。今回、写真集の中で目指した大人像はどんなものでしたか?
【伊藤彩沙】目指した大人でいうと、ハッとさせる、ドキッとするような色気であったり、落ち着いている姿であったり、そういうイメージがあるんですけれど。でもそれだけじゃなくて、ちょっと面白いおちゃめな部分であったり、甘さであったり、大人像に別の要素を掛け合わせて「“大人”דなにか”」を表現した時に、私の描く大人っぽさが表現できるんじゃないかなと思って。
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――ひとつの要素を追求する考え方もあると思うんですが、伊藤さんは掛け合わせがご自身らしいと。
【伊藤彩沙】シンプルが苦手で、引っかかりがほしいというか。関西人だからかもしれないですけど、お得感(笑)。お得なものって「こんなにいいんですか!」って、満足度も高いじゃないですか。見てくださる方に少しでも満たされた気持ちになってほしくて。
――まさにサービス精神ですね。自分が表現することで、喜んでもらうことがうれしい気持ちが強いと。
【伊藤彩沙】それは本当にあると思います。求められる私、それ以上のものをお返ししたい、という思いがずっとありますね。そこから広がって、コンセプトにまで影響しているのかもしれないです。
「王道でいい」やりたいことから垣間見えた人生観
――ところで、伊藤さんの2026年の目標は「実績解除」とうかがいました。そこで、20代のうちにこれは解除したい!という実績を挙げるなら?
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【伊藤彩沙】駆け込みでやりたい実績解除。どうですか?なにか「これやっておいたらよかったな」ってこと、あります?今いろんな方に結構アンケートを取っていて。
――山ほどあったんですけど、もう忘れてしまいました。
【伊藤彩沙】そうなんですね。
――でも「なにかやっておきたかったな」って気持ちだけは引きずるもので。
【伊藤彩沙】その話でいうと、後悔をしないもの……。あ、ありました!ちょっと生意気かもしれないんですが……。憧れているフレンチのお店があって、そこに駆け込みたいです。
――その憧れの理由をうかがっても?
【伊藤彩沙】「20代の内に行くと……」という触れ込みがあって(笑)。予約しないと!ありがとうございます、今思い出せました。
――ぜひ満喫してください。
【伊藤彩沙】いいお値段らしいんですけど、でもたらふく食べたいと思います。

――反対に、30代のスタートダッシュでやりたいことはありますか?
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【伊藤彩沙】富士山に登りたいです。体力があるうちにできることを片っ端からやっていきたくて。
――富士山ですか!「登山に挑戦」ではなく、最初から富士山を目標に据えているんですね。
【伊藤彩沙】登山の知識はゼロに等しいんですけど、やっぱり日本人として富士の御来光は見ておかないとな、という気持ちです。王道、ベタって言われることを全部やりたいんですよ。
――王道志向なんですね。
【伊藤彩沙】なにかで知ったんですけど、人生ってもう王道でいいらしくて(笑)。年齢を重ねると体調の話になりがちですけど、でも「歳をとって体調の話をするのが楽しい」という意見を見て、確かにその通りだなと。王道を一回歩んだ先に得るものもあるじゃないですか。
――なるほど、一理あります。
【伊藤彩沙】いっぱいあるんですよ。マッシュアップを自分の中で考えるのがすごく好きだから、プライベートではDJもやってみたくて。お仕事で言えば、プロデュース業をやりたいですね。
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――女の子のプロデュースをやりたいビジョンをお持ちだとか。
【伊藤彩沙】グループのプロデュースをやってみたいですね。あとは食べるのも好きだから、ご飯やスイーツのプロデュースもしたいです。
――30代を迎えて「どうですか?」ってお声がかかりそうな気配が。
【伊藤彩沙】でも、もう「待ってちゃダメなんだな」とも感じましたね。20代後半の時は「いつかは」って思っていたけど、自分でやらなきゃ始まらないことだってあると思って。なので、やりたいことは自ら積極的にやっていくことも大事だなとも今は思っています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
【伊藤彩沙】伊藤彩沙の集大成ということで、写真集「アヤサージュ」は今の私が表現したいもの以上の出来になっているんじゃないかなと思っています。私を120%楽しんでもらえて、過去も未来も感じ取ってもらえるような写真集になっています。上質です! 充実した内容の写真集になっているので、ぜひ堪能していただきたいです。
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■▼伊藤彩沙 プロフィール
8月17日生まれ、京都府出身。2013年に声優デビュー。これまでに『BanG Dream!』(市ヶ谷有咲)、『メダリスト』(鹿本すず)、『ウマ娘 プリティーダービー』(ヴィブロス)、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(花柳香子)など数多くの作品に出演している。
[X]@ayasa_ito [Instagram]@ayasacream
【取材・文=国分洋平】
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