
メンズエステを舞台にした創作漫画「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」。肌に触れるだけで人の心の奥底まで理解してしまうメンエス嬢・加恋が、悩みを抱えた客たちを癒やしていく人間ドラマである。描くのは漫画家の蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)さん。今回は、これまで謎に包まれていた主人公・加恋自身の過去や胸の内が明かされる最終話を紹介する。
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加恋が抱えていた心の傷



蒼乃さんによると、これまでの物語は加恋が客の心の問題を見つめ、癒やしていく構成だったが、最終話では主人公である加恋自身の心の問題に焦点を当てたという。「人を癒やすことによって自分も癒やされていくという加恋の生き方に、少しでも共感していただけたら幸いです」と語る。
客たちのトラウマや悩みに深く共感できる加恋は、現実には存在し得ないような特別な能力を持つキャラクターである。一方で作者は、「もしも現実に加恋のような女性がいたら、客たち以上にたくさんの生きづらさを経験してきたのではないか」と考えたことが、この人物像につながったと明かした。
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美しさゆえに孤独に苦しんだ過去
加恋は生まれ持った美しさによって、女性からは嫉妬され、男性からは言い寄られ続けてきた。幼少期には母親の交際相手からも理不尽な誤解を受け、「私の中にはきっと人を不快にさせる何かがある」と思い込むようになる。大人になってからも職場で靴を隠されるなどの嫌がらせを受け、集団になじめずにいた。
こうした背景について蒼乃さんは、「美しさは多くの人が努力して手に入れたいものだが、生まれながらに備わっている人は嫉妬の対象にもなりやすい」と説明する。そして、「誰もが羨む美しさを持っていても、それに見合うだけの心の強さも持ち合わせていないと、扱うのは難しいのではないかな…と感じます」と自身の考えを語った。
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幸せになるために必要なこと
人目を避けるように生き、自分の美しさを才能として受け入れられなかった加恋。しかし蒼乃さんは、幸せになるためには自分自身を認めることが大切だという。
「どんな人でもそうですが、生まれ持った自分の能力や才能を信じて伸ばそうとする努力を怠っていると、いつまでも自分に自信が持てないのではないでしょうか」と話し、「自意識過剰でもいい、嫉妬されてもいい、孤立してもいい、と開き直ることも大事ではないでしょうか」と読者へメッセージを送った。
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加恋の言葉が客、加恋、そして読者を癒やす
連載について蒼乃さんは、「『謎のメンエス嬢が客を癒やす一話完結の物語』というスタイルが決まった時は、ワクワクと同時に不安もありました」と振り返る。しかし描き進めるうちに加恋というキャラクターが固まり、「どんな問題のある客が来ても大丈夫!」と自信がついたという。結果としてネタに困ることもなく、最後まで楽しく描き切ることができたそうだ。
作中で客たちに向けられる加恋の言葉は、実は彼女自身が欲しかった言葉でもある。蒼乃さんは「登場する10人の悩みは、立場は違っても読者の悩みとも共通するものがあるのではないかと思います」と語り、「繰り返し読んでいただき、そのたびに加恋に何度も癒やされるような気持ちになってもらえるとうれしいです」と思いを明かした。
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客を癒やすことで、自分自身も救われていたことに気付いた加恋。最後には胸を張って自分を愛せるようになった彼女の笑顔が印象的な作品だ。
■取材協力:蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)
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