
35年前、人気の遊園地で7歳の少年がジェットコースターと接触し死亡する痛ましい事故が起こった。凄惨な事故の記憶が薄れても少年の霊だけは当時のままその場にとどまり続ける。三ノ輪ブン子(@minowabunko)さんのホラー漫画『鬼の居る間にわたしたちは』第3話は、そんな地縛霊の少年を描いた物語だ。本作の魅力について三ノ輪さんに話を聞いた。
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特異体質なふたりと日本的ホラー



主人公の女子高生・螢は怪異が見える特異体質だ。ある日、霊を引き寄せやすい特異体質の転校生・あざみと出会う。あざみには怪異は見えないが、螢と手を繋いでいるときだけ見えるようになることに気づき、ふたりは仲良くなっていく。
本作は海外アプリで配信されたため、日本的なホラーを意識してシンプルな幽霊の話にしたという。三ノ輪さんは、「幽霊をただやっつけるのではなく生きている人の延長で捉えて何か別の方法を探す、というのはすごく日本的なホラーな気がします」と語る。恐怖を煽るだけでなく、幽霊の背景に寄り添う姿勢が根底にある。
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観覧車への未練と夕焼けの描写
劇中、少年の霊は螢たちには目もくれず、終始大きな観覧車を見つめていた。彼を地縛霊にしていたのは、観覧車への未練だったのだ。その事実に気づいたあざみはある行動に出る。
読者から圧倒されたと声が上がるのが、観覧車から見た夕焼けの描写だ。モノクロでありながら鮮明なオレンジ色が目に浮かぶシーンについて、三ノ輪さんは、「物語の雰囲気や方向が一気に変わるシーンだったので、それが伝わるように丁寧に描きました」と振り返る。人物たちに当たる夕陽もひとつのキャラクターと同じくらい大事に描いたため、色を感じてもらえたならとてもうれしいと語った。ただのホラーで終わらないぬくもりを感じる結末を、心が洗われるような夕焼けとともに見届けてほしい。
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取材協力:三ノ輪ブン子(@minowabunko)
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