
主人公の荒木ユリは、とにかく学校の勉強が苦手だった。授業中に当てられ、答えられずにいるユリに対してクラスメイトは「なんであんな簡単な問題わかんねーの」「だる。消えてほしいわ」という声を浴びせてくる。ほかの誰でもないユリ自身が「私だって消えたい…」と思っていたとき、ユリは校庭で1人の教師と出会う。しかし、その教師は自らを「幽霊だ」と名乗った。



本作『take over』は全4話で完結するショートホラー漫画である。第1話を配信した際には「すごいビジュアルの幽霊出てきた。。。」「すごい顔…」と、インパクトある幽霊の顔面に度肝を抜かれる読者が続出。しかし物語が進むうちに、「だんだんこの顔が優しく見えてきた」「意外と表情豊かでくせになってきた」「こういう先生から学びたかった」と評価はうなぎ上りだ。
続きを読む
読者の声で結末が激変!舞台裏で起きた予想外の展開
これらの反響について、作者の鳩ヶ森(@hatogamori)さんは「白昼堂々現れる幽霊という設定だったので、生きている人間とは明らかに違う存在に見えるようあの顔にしました」と語る。無表情なキャラクターで喜怒哀楽をどこまで表現できるか試したい気持ちもあったというが、「手間をかけず簡単に描けるようにしたかったというのが一番の理由です。あの顔面のおかげでかなりの時短になりました(笑)」と本音も覗かせる。
ほのぼのと続いていた幽霊と女子生徒の日常だが、最終話の第4話で怒涛の展開を迎える。幽霊が女子生徒に近づいた真の目的とは。「やっとです。やっと呪いを引き継いでくれる身代わりができた」と言った幽霊の言葉の意味に、読者は驚愕することになる。
続きを読む
実は当初の構想では、バッドエンドにする予定だったという。ホラー漫画である以上、嫌な後味のほうがよいと考えていたが、コメント欄で「先生」への好感度が予想以上に高まっていったため、慌ててハッピーエンドに変更したという経緯がある。
若者へのエールと、本格ミステリーへの新たな挑戦
読者のリアルタイムの反応を見て結末を変えた作者だが、ハッピーエンドにしてよかったと心から思っているという。結末を変更した段階で、若い人、特に学生に向けた「厳しい時代だけれど、自分らしく楽しく生きのびてほしい」というエールを織り込んだそうだ。不穏な展開を見せる第4話だが、「全然ホラーじゃない!とってもいい話」「胸に込み上げるものがあった」と大絶賛されている。
続きを読む
なお、ホラー漫画家である鳩ヶ森さんは、自身初のミステリー漫画『仮門(かりもん) 消えた少女―10年目の真実』を電子書籍として出版している。本作は、10年前の幼女失踪事件の真相を追う物語で、前半にちりばめられた数々の伏線を後半で見事に回収していく全195ページの本格派作品だ。真実が明らかとなる最後まで気を抜けない読み応えある一作となっているので、こちらも併せてチェックしてほしい。
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
記事一覧に戻る