
子どもたちの笑い声が響く遊園地。しかし、その場所には35年前の事故で命を落とした少年の霊が今も残り続けていた――。今回は、三ノ輪ブン子(@minowabunko)さんによるホラー漫画『鬼の居る間にわたしたちは』第3話を紹介する。
怪異が見える螢と、怪異を引き寄せやすいあざみ



『鬼の居る間にわたしたちは』の主人公・螢は、怪異が見える特異体質の女子高生である。できるだけ“見えないふり”をして生きてきたが、転校生・あざみと出会ったことで状況が変わる。あざみには凶悪な怪異が取り憑いており、しかも本人は怪異を引き寄せやすい体質だった。
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あざみ自身には怪異の姿は見えないが、螢と手を繋いでいる間だけ見えるようになる、という不思議な関係。そして怪異事件をきっかけに、2人は少しずつ距離を縮めていく。
“ただ怖いだけではない”日本的ホラーを描く
本作について三ノ輪さんは、「海外のアプリで配信されていた作品なので、日本的なホラーを描きたいと思った」と語る。今回は都市伝説ではなく、“幽霊そのもの”をテーマにしたエピソードに挑戦したという。「かつて自分と同じように生きていた人が死んで幽霊になる。その幽霊を単純にやっつけるのではなく、生きている人の延長として捉えて別の方法を探すのは、すごく日本的なホラーな気がします」と話していた。
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夕焼けが不思議さを際立たせる観覧車のシーン
第3話では、少年の霊がずっと螢たちにつきまとう。しかし彼は2人を見ているわけではなく、終始ある場所へ視線を向け続けていた。その先にあったのは、遊園地の大きな観覧車だった。
観覧車から見える夕焼けのシーンについて読者から絶賛の声が寄せられたことに対し、三ノ輪さんは「物語の雰囲気や方向が一気に変わる場面だったので、丁寧に描きました」とコメント。「人物たちに当たる夕陽も、ひとつのキャラクターと同じくらい大事に描いたので、色を感じてもらえたならとてもうれしいです!」と制作時を振り返った。
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ラストは少年の"未練"が明らかに
なぜ少年は観覧車を見続けていたのか。その理由が明らかになったとき、物語は単なる恐怖では終わらない切なさを帯び始める。少年を地縛霊にしていた“未練”に気づいたあざみは、ある行動に出るのだった。
静かにまとわりつく不気味さと、胸の奥に残る温度感。その両方を味わえる第3話である。夕焼けに染まる観覧車のシーンにも注目しながら読んでほしい。
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取材協力:三ノ輪ブン子(@minowabunko)
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