
36歳で卵巣嚢腫の手術を受けた体験を描いた『卵巣嚢腫手術レポ』が、2025年8月にX(旧Twitter)で注目を集めた。作者は、まえだ永吉(@eikiccy)さん。検査を受けるなかで子宮頸がんなどさまざまな病気の疑いが浮上し、不安を抱えながら入院と手術に臨んだ実体験が、リアルかつコミカルに描かれている。今回は、本作を描いたきっかけや当時の心境について話を聞いた。
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「不安を少しでも和らげたい」と描き始めた“手術レポ漫画”



まえださんは、入院や手術が決まった当初、「手術後はどれくらい痛いのか」「入院生活はどんな感じなのか」が全く想像できず、不安でいっぱいだったという。
そんななか、ネットでほかの人の手術レポ漫画を読み漁ったことで、入院生活のイメージができ、「これだけでも相当不安が解消された」と振り返る。病院ごとに治療方針や術後の症状も異なるため、「こういう体験談レポはあればあるだけ参考になると思います」と語り、自身の作品も「これから腹腔鏡手術をする人の不安が少しでも和らげば」との思いで描き始めたそうだ。
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検査結果に振り回された20代〜30代
27歳ごろに卵巣奇形腫と診断されたまえださん。当時は「まだ結婚も子どももあきらめていなかったので、かなりショックを受けました」と明かす。検査結果が悪かった時期には「気が気じゃなかった」といい、不安な日々を送っていたという。その後、さまざまな出来事が重なり、34歳ごろには「人生に疲れてしまって結婚も子どももあきらめました」と心境にも変化が訪れた。
すると婦人科系の検査結果も徐々によくなり、子宮頸がん検診でも「異常なし」が出るようになったそうで、「吹っ切ったのが精神的にも身体的にもよかったのかもしれません」と振り返っていた。
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睡眠不足とスマホ依存を実感した入院生活
9年後、病院でチョコレート嚢胞と診断され、腹腔鏡手術のため約5日間入院することになったまえださん。入院中で最もつらかったのは「なかなかぐっすり眠れなかったこと」だったという。もともと物音に敏感なため、「少しの物音でも起きてしまいます」と話し、「特に入院初日はほぼ寝ていないです」と苦笑する場面も。
また、病室でWi-Fiが使えなかったこともかなり不便だったようで、「普段どれだけスマホに依存しているのかわかりました…」と語っていた。
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明るい医療スタッフに救われた日々
漫画には描ききれなかったエピソードとして、病院スタッフへの感謝も語ってくれた。先生や看護師、スタッフが「皆明るく楽しいキャラをしていて入院中でも暗くなりませんでした」といい、「あらためて医療従事者の方々ってすごいお仕事だなと思いました」としみじみ話す。
また、主治医がほぼ毎日病室に様子を見に来てくれたそうで、「ちゃんと休んでるのかな…と心配になりました」と振り返った。
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希望が持てた、医師からの印象的な一言
最後に、現在治療中の読者へ向けてメッセージも寄せてくれた。「入院手術前はめちゃくちゃ不安かと思います。でも麻酔が一瞬で効くので手術も一瞬で終わります」と語りつつ、「その後の傷の痛みがしんどいですが、今となっては『そんな事もあったなぁ~』という感じです」とコメント。
さらに、手術翌日に主治医からかけられた「これからよくなっていく一方だからね」という言葉が今でも印象に残っているそうだ。現在も再発防止のため服薬や通院を続けているといい、「一緒に頑張りましょう!」と読者へエールを送った。
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病気や入院という重いテーマを扱いながらも、コミカルな描写で前向きに読める本作。不安を抱える人にそっと寄り添うような作品となっている。
取材協力:まえだ永吉(@eikiccy)
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