
夜11時になったら、和室に散らばった無数のおもちゃを立て、扇風機を「強」で首振りに設定する。そして、朝7時まで決して扉を開けてはならない――。2026年5月現在、SNSで「怖すぎて鳥肌が止まらない」と1.2万超の「いいね」を集めているのが、大家(@ksyjkysk)さんの漫画『扇風機の家』だ。
本作は、著作権フリーの怪談ツイキャス「禍話禍ちゃんねる 百怪忌念スペシャル」(@magabanasi)で語られたエピソードを再構築し、コミカライズしたもの。大学の夏休み、友人の「親戚の家で留守番をするだけ」という割のいいバイトを手伝うことになった主人公。食費付き、ゲームやり放題という夢のような条件の裏には、あまりに不気味な「夜のルール」が隠されていた。
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「何かに気づきつつ、隠している友達」



作者の大家さんは、以前から「禍話」のファンであり、リモートワーク中のBGMとして聴き込んでいたという。「不気味な和室など描くのが楽しそうなシーンがたくさんあった」と創作のきっかけを語る。漫画化にあたっては、怪異そのものだけでなく、状況を知っていながら真実を語らない「友人の表情や行動」に、読者が不穏さを感じられるよう細部までこだわって描写した。
「なぜ、毎晩おもちゃを立てて扇風機を回し続けなければならないのか?」。簡単な作業のはずが、夜の和室から聞こえてくる「小物が倒れる音」によって、主人公は室内に“何か”がいることを確信してしまう。開けてはいけないはずのふすまに空いた小さな穴。好奇心に勝てず中を覗き込んだ主人公が目撃したのは、この世のものとは思えない光景だった。
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スティーブン・キングを彷彿とさせる秀逸な世界観
大家さんといえば、SFやミステリーの要素を織り交ぜた緻密な世界観に定評がある。これまでも『僕らの夏と灰』や『嵐の日の来客』といった、静かな恐怖が背筋を伝う作品を発表してきた。
ネットを通じて広がり続ける「令和の怪談」。文字や音声だけでは伝えきれない、大家さん特有の「じわじわと追い詰められる恐怖」が、視覚を通じて読者を圧倒する。暑さが本格的になる季節、背筋に冷たい汗が流れるよう漫画を読んでみては?
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取材協力:大家(@ksyjkysk)
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