
「ママー、ママどこぉ?」「やーだママ、ママーいやー」と泣き叫ぶ我が子をギュッと抱きしめる父。「ごめんな。ママいなくて寂しいよな」「パパだって嫌だよ。ママに…ママに会いてぇよ!!」。抱きしめ合いながら、ともに涙を流す父と息子。嗚咽する父の姿を見た幼い息子は、そっと父のほうへ手を伸ばし――。



妻を亡くしたシングルファザーの奮闘を描いた漫画『晴がイチバン』。本作には「待って…生後3カ月の子がいる母だけど涙腺が…」「なんとしても先に逝くわけにはいかねぇ!って自分に誓いました」「最後のシーンも心に響きました」など、涙腺を崩壊させる読者が続出している。作者は、企業漫画や子ども向け学習図鑑の挿絵などを手掛ける夏野ばな菜(@NatsunoBanana)さんだ。今回、本作に込めた思いについて話を聞いた。
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「こんなパパもいる」シングルファザーを描いた理由と賛否
妻を亡くしたシングルファザーを主役に選んだ理由について、夏野さんは「こんなパパもいるんだよ、母親を亡くして父と子だけでも、愛情を持って接したらこんなに素敵なんだよ、ということを伝えたくて描きました」と語る。父と子の愛情や周りの人々の手助け、そして残された者と残して逝く者の思いを描き出したかったという。
一方、作中の扉絵で子どもをバイクに乗せて送迎するシーンについて、「小さい子をバイクの後ろに乗せるとは何ごとか!」という厳しい声や、「現実をわかっていない」という反論など、読者間で賛否両論も巻き起こった。夏野さんは「賛否両論あって当然だと思っています」としたうえで、「それをもっと話し合って、じゃあ自分の家庭ではどうするのが最善か、そういったことを考えるきっかけになればいいなと思います」と真摯に受け止めている。なお、作中の描写は、安全対策と交通法規を遵守し、子ども本人が嫌がっていない前提で描かれているとのことだ。
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子どもの心に寄り添う名シーンと今後の活動
本作で特に見てもらいたいシーンについて尋ねると、「小さい子どもでも、つらい・寂しい気持ちはきちんとあって、『お兄ちゃんだから・お姉ちゃんだから、我慢しなさい』は通じない。つらいときには泣くし叫ぶ」と前置きし、母親を求めて子どもが泣くシーンと、それを包み込む父親が息子の思いに気づく部分を挙げた。
現在、夏野さんは「ジャンプルーキー!」にて、愉快なサラリーマンたちが繰り広げるラブコメディから始まり、家族が増えていくにぎやかな日常を描いた漫画『SSS』を連載中だ。同作も人間の内面や人とのつながりを描いた人間味あふれる物語となっているので、『晴がイチバン』に心を打たれた人はぜひチェックしてみてほしい。
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取材協力:夏野ばな菜(@NatsunoBanana)
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