
※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。
家賃5000円という破格の条件に惹かれ、曰く付きのアパートへ引っ越してきた「訳あり」の家族。母親と内縁の夫、そして幼い少女・りの。安さの理由は、そこが幽霊の住み着く事故物件だからだ。2026年4月現在、SNSで大きな反響を呼んでいるのが、爽(@ktt0310)さんの創作漫画『幼女と幽霊』である。
押し入れの片隅から住人を監視する幽霊の「すみ」は、静寂を乱す子どもを嫌っていた。しかし、この部屋で最も騒々しく、醜悪だったのは大人たちだった。内縁の夫は、りのの髪をズタズタに切り刻み、抵抗する小さな体に暴力を振るう。その凄惨な光景を目にしたとき、すみの中に眠っていた過去の記憶が呼び覚まされた。
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「幽霊より、人間の方が怖かった」。虐待される少女を救うため、地縛霊が起こした“奇跡”



すみは、りのを虐待する男と母親を追い出す決意をする。凄まじい霊的現象に恐怖した大人たちは、幼いりのを置き去りにしたままアパートから逃走。残された少女と幽霊、奇妙な2人きりの生活が始まった。不思議なことにりのにはすみの姿が視え、孤独だった魂同士は深い絆で結ばれていく。
しかし、現実は非情だ。食料が尽き、空腹に耐えかねたりのが腐ったものを口にして倒れてしまう。死の淵を彷徨う少女を前に、触れることすらできない幽霊のすみは、ある行動に出る。作者の爽さんは、制作のきっかけについて「実はとても怖がりで、ホラー映画を観てはビビり散らしていた。その恐怖を払拭するために、怖くない、感動するホラーを描こうと思い立った」と明かす。
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セリフを削ぎ落とし、絵で語る感情。「短く、わかりやすく」に込めた執念
本作の結末、無事に助かり父親側へ引き取られたりのと、離れても消えない2人の絆に「涙が止まらない」という読者が続出した。爽さんは「虐待や自殺などの重いシーンがあるため、受け入れられるか不安だったが、温かいコメントを頂けて励みになった」と語る。
執筆にあたって最もこだわったのは、隙間時間に気軽に読める「短さとわかりやすさ」だという。画面の見やすさを追求し、セリフを極限まで削ぎ落とすことで、読者が登場人物の表情から感情を汲み取れるよう工夫を凝らした。爽さんの作品に登場する霊は、どれも生身の人間以上に人間味にあふれている。それは、恐怖の裏側にある「救い」を描こうとする、作者の優しい眼差しがあるからに違いない。
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取材提供:爽(@ktt0310)
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