笠谷瑠璃は普通の女子高生…ではなかった。「あの人でしょ、笠谷さんって」「関わったらいけないタイプの人だよ」「幻覚が見えてる変な奴みたいよ」「いや、虚言癖の痛い奴だろ」と裏でコソコソと噂をされていた。本人も自分がどう見られているのか自覚があり、「まあ、“見えない人”はそう思っちゃうもんだよねー」と開き直っていた。

笠谷瑠璃が周りの人間を“見えない人”と言ったのは、自分が見える側の人間だからだ。彼女には霊の姿がはっきりと見え、それを怖いとも思わず(むしろ好き)、会話をすることもできる。だから「誰もいないところに手を振ったり、話しかけている」「なぜかいつもめちゃくちゃ楽しそう」という噂が広まっていた。
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そしてこの日、彼女が話しかけていたのは、30年前に“教師いじめ”に遭ってこの学校の屋上から自殺したという女教師の霊だった。教師の怨霊は「長い年月をかけ当時の生徒たちをじっくり呪い続けてきた」という。状況は本格的なホラー展開となってきたが、本作はただのホラー漫画ではない。超ポジティブな性格の主人公の目や言葉を通して、亡くなってしまった霊の無念さや気持ちが描かれるため、ほかのホラー作品と一線を画すところがある。さて、女教師の怨霊はこの後どうなってしまうのか?

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本作『幽霊大好き女子の話』を描いたのは、漫画家の空白(@ashirocks_989)さんである。空白(あしろ)さんはこれまで、『夜顔 私が知らない、夫の秘密。』や『浮気の代償はご自身でどうぞ。私は執行人です。』のコミカライズを担当してきた漫画家である。空白さんに本作について話を聞いてみた。

――「幽霊が見える女子高生」という設定は王道ですが、“幽霊が好きすぎて自ら絡みにいく”という描き方が新鮮でした。この発想はどのように生まれたのでしょうか?
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「ホラー漫画が描きたい!」という想いと、「ずっと笑ってる無敵そうな女の子が描きたい!」という想いがあり、だったらまとめてしまえと思いいたって、このようなお話になりました。ホラーものといえば、主人公や登場人物が霊にひたすら恐怖するお話が多いと思うのですが、逆に主人公が霊をめちゃくちゃ好きだったらどうなるだろう、と思いお話を考えました。
――主人公・笠谷瑠璃のキャラクターは魅力的ですね。彼女をどのような人物として描こうと考えましたか?
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好きなものにまっしぐらで明るく、いつ見かけても笑っているという学校の人気者になりそうなキャラなのに、そのすべてが幽霊に向けられているというギャップをおもしろく思ってもらえたらいいなと思いながら描いていました。それに加えて、彼女が関わると幽霊トラブルがすぐ解決してしまうという、頼もしさのようなものもあるキャラクターです。
――笠谷に絡んでくるメガネ男子・折野の存在が物語のアクセントになっていますが、彼にはどのような役割を持たせていますか?
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基本的には笠谷へのツッコミ役として描いていますが、彼女に振り回されたりするのではなく、自ら首を突っ込んで関わりに行くおせっかいなタイプです。笠谷はある意味「無敵の存在」なので、そんな子と行動を共にできるのは同じくらい幽霊に興味があり、意思が強くブレないタイプだろうと思い、折野というキャラクターを考えました。今後も口悪くツッコミながら笠谷についていくんだろうと思います。

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屋上で笠谷が折野に「先生が学校イチの怨霊になったときの話する?」と聞くと、折野は「何だそれ…ちょっと気になるじゃねぇかよ…」と答える。確かにちょっと気になる話だ。『幽霊大好き女子の話』では、各エピソードの幽霊譚は解決しながら進行するが、物語をまたいで未解決の謎を残しながら進むので、それらの怪異の謎も楽しみながら読んでみよう。
取材協力:空白(@ashirocks_989)
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