
「助けなければ、もっと大変なことになる」。そんな善意から始まった立て替えが、まさか長きにわたる物語の幕開けになるとは――。さい糖みりん(@miri_n_4)さんがブログで公開し、大きな反響を呼んでいる実録漫画『義実家の近所から逃げた話』。
義母に300万円もの借金があることが発覚し、息子夫婦がその全額を肩代わり。緻密な返済計画を立て、義実家という特異なコミュニティと対峙していく様子が、リアルかつコミカルな筆致で描かれている。作者のさい糖さんに、衝撃の告白を受けた当時の心境や、8年間に及ぶエピソードを形にした背景を聞いた。
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「経済的DVではないか」。義母の言葉を信じ、救いの手を差し伸べたあの日



義母から「300万円の借金がある」と打ち明けられた際、さい糖さんの心に去来したのは驚きとともに、強い同情心だったという。
「当時は人の話をすぐに信じてしまうところがありました。義母が義父から経済的なDVを受けているのではないかと思い、『私たちが助けなければ、借金がさらに膨らんで取り返しのつかないことになる』と必死だったんです」
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それまでも、夫が義母に小口のお金を貸すことが何度かあった。根本的な原因が多額の借金だと判明したことで、夫婦は「全額を立て替えれば、もうお金を借りに来ることはないだろう」という、ある種の終止符を打つ決断を下した。
8年間の愛憎を凝縮。夫の後押しで始まった、初の長編コミックエッセイ
普段はInstagramで1話完結の日常漫画を投稿しているさい糖さん。本作は、読者からの「もっと詳しく知りたい」という声と、夫からの「長編を描いてみたら」という勧めがきっかけで誕生した。
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「約8年にわたる出来事をまとめるにあたって、どのエピソードを入れ、どこを省くかの取捨選択が一番の悩みどころでした。義両親から言われた衝撃的な言葉などは、すべて実際にあったものです。感情の推移や関係性の変化を、読者の方が違和感なく読み進められるよう工夫しました」
「次は別の長編を」。自らの体験を糧に、次なる物語へ
借金を肩代わりし、返済計画を完遂しようと奔走する若夫婦。しかし、物語のタイトルにある『義実家の近所から逃げた話』という言葉が示す通り、事態は単純な金銭問題だけでは終わらない。
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「今後も、自分の体験をもとにしたお話を少しずつ描いていきたいです。今はまた別の長編漫画を構想中で、そちらも最後まで分かりやすく楽しんでもらえる作品にしたいと思っています」
義実家という逃げ場のない関係性の中で、人はどう立ち回り、どう自分たちの生活を守り抜くのか。さい糖さんの描く物語は、同じような悩みを抱える人々への共感と、一歩踏み出すための不思議な勇気を与えてくれる。
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取材協力:さい糖みりん(@miri_n_4)
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