
ユーモアと実話を織り交ぜた作風で人気を集める宮野シンイチさん(@Chameleon_0219)。代表作「夜逃げ屋日記」は、DV被害などに苦しむ依頼者を救う夜逃げ屋の実体験をベースに描かれ、多くの読者の注目を集めている。今回紹介するのは、その「夜逃げ屋日記」第21話。日常の延長線上に突如現れた“あり得ない依頼”が、やがて不穏な空気へと変わっていく。
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「宇宙に行ってくれませんか?」謎の依頼の始まり



ある日、社長のもとに1本の電話がかかってくる。いつもの仕事の依頼かと思い「何から逃げたいの?」と尋ねると、返ってきたのは予想外の言葉だった。「逃げるというか…仕事を手伝ってほしいんです」。さらに続けて「僕と一緒に宇宙に行ってくれませんか?」。あまりにも突飛な申し出に、その場の空気は一気にざわつく。
電話の主は『X』と名乗り、「今、地球がほかの星から狙われていて、戦争が始まろうとしている」と語る。そしてそれを止めるために「一緒に説得に行ってほしい」と持ちかけるのだった。「2週間後の5月24日、宇宙船であなたを迎えに行きます」。そう告げて電話は切れた。
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笑い話のはずだった“約束のXデー”
社長と宮野さんは当然のように「いたずら電話だ」と大笑いする。しかし、その後もXとのやり取りは続き、奇妙な違和感だけが残っていく。そして迎えた約束の2023年5月24日。この日は夜逃げの仕事もなく、宮野さんは社長にメッセージを送るが、既読にならない。
翌日、会社で社長に前日のことを尋ねると、思いもよらない答えが返ってくる。「昨日?12時間寝てたよ」。普段はショートスリーパーの社長が、まさかの長時間睡眠。しかも、その間の記憶は曖昧だという。あの電話と無関係とは思えない違和感が、静かに広がっていく。
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"宇宙人は存在するのか"という問い
現実と非現実の境界が揺らぐ本作について、宮野さんはこう語る。「絶対いると思います」。その理由について、「夜逃げ屋のスタッフは仕事柄、特殊な人によく遭遇します。やばい加害者なんかは、もう宇宙人みたいなものかもしれません」と説明する。「狭い地球の中でもそうなので、地球の外にはさぞ多くのやばい宇宙人がいることでしょう」と続け、独自の視点で“宇宙人”という存在を捉えている。
現実の延長線にあるはずの仕事の中で、ふと現れる説明のつかない出来事。それは本当に“いたずら”だったのか、それとも――。読者の想像をかき立てる一編である。
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取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)
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