ウォーカープラス

国立がん研究センターのデータ(※1)によると、日本では毎年約2500人の子どもが小児がんと診断される。医療の進歩により現在では約7〜8割が治癒できる時代になった。しかし、「命が救われたあと」に待ち受ける現実を知る機会はまだ多くない。半年から1年におよぶ入院生活、治療が中心となる毎日、退院後も続く孤独感と心の葛藤――。そうした子どもたちの「心」に、医療だけでは届かない支援を届けようと、一般社団法人「ゆうきとのぞみ」がクラウドファンディングに挑戦している。病気と向き合う子どもたちの見えにくいリアルはまだ社会に十分に届いていない。


※1 国立がん研究センター がん情報サービス「小児がんの患者数(がん統計)」


「ゆうきとのぞみプロジェクト」は4月30日(木)までクラウドファンディングを実施している


今回は、兵庫県立こども病院 血液・腫瘍内科 医長の植村優先生と、プロジェクト代表の越山直紀さんに、小児がん治療の現場のリアルと「ゆうきとのぞみBOX」に込めた想いを、語ってもらった。


治療が奪う「自分らしさ」——現場で目にする子どもたちの現実


――小児がんの治療を受ける子どもたちは、どのような入院生活を送っているのでしょうか?また、心身にはどのような負担がかかっていますか?


【植村先生】抗がん剤の治療はまず吐き気が大きいですね。また、口腔粘膜や消化管の粘膜が傷んで痛みが生じることも多い。さらに免疫力が低下しますので、それによって生じる感染症と戦いながら入院生活を送ることになります。検査自体も痛みを伴うものがありますし、ひと口に小児がんといっても病気の種類はさまざまですが、やはり半年から1年ほど入院が必要になることが多いです。


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