
いわゆる“死亡フラグ”にスポットを当て、ヤンマガWebで連載されて人気を博した酒井大輔(@sakai0129)さんの漫画『ゴリせん~パニックもので真っ先に死ぬタイプの体育教師~』。死亡フラグを無自覚にへし折っていく最強の体育教師・ゴリ先の姿を描き、惜しまれつつ完結した本作。
今回は、長期連載の裏側にあったネタ集めの苦労や、独特なギャグセンスの源泉について、酒井さんの言葉から本作の魅力を改めて振り返る。
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「死亡フラグ」や「漫画あるある」の破壊
作品の根幹にあるのは「死亡フラグ」や「漫画あるある」の破壊だ。しかし、このコンセプトを維持し続けるのは容易ではなかった。酒井さんは、死亡フラグには似たようなパターンが多く、既視感のある展開は容赦なく没にしていたと明かす。集めたフラグをどう漫画に組み込むかが一番の難題であり、主人公のゴリ先が破壊するのに適していないフラグの選別にも頭を悩ませていた。話を繋げながら読者にフラグを提示していく構成の難しさは、執筆中の大きな壁だったようだ。
作中ではゾンビものをはじめとする数々のパニック要素が盛り込まれた。酒井さんは、ゾンビ映画などに明るくない読者に対しても、いつか実際の作品を観たときに「ゴリせんでやってたやつだ」「ゴリせんなら助かったのに」と思い出してもらえればうれしいと語る。パロディの枠を超え、読者の記憶に残り続ける笑いを目指していたことがうかがえる。
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参考にしたアニメ版の「名探偵コナン」
独特のテンポや作劇において、酒井さんが大いに参考にしているのがアニメ版の「名探偵コナン」だという。とくにアニメオリジナルの話はハチャメチャな内容や倫理観がバグっている展開があり、非常におもしろいと絶賛する。アニメ版が持つ「この回は何をやりたいのか」という明確なコンセプトや、省く部分は徹底して省き、描きたいところをしっかり描くスタンスが大変勉強になっているそうだ。また、アニメオリジナルは事件のあらましをセリフで説明してくれるため、聞きながら作画作業を進められるという実用的な利点も教えてくれた。
フラグをへし折り続けたゴリ先の軌跡は、緻密な計算と研ぎ澄まされたコンセプトのうえに成り立っていたのだ。
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