
OLの「孤独がいちばん体に悪い」という世間話から始まる漫画『孤独の予防』。作者の國里さんは、40歳独身のサラリーマン・岩倉が、孤独という現実に向き合い、もがきながらも人とのつながりを見つける姿を描いた。本作は、誰からも愛されていないという事実に直面したおっさんの奮闘を、ギャグを交えて描き、多くの読者の共感を呼んでいる。
孤独への恐怖と一念発起



主人公の岩倉は、彼女も友人もいない40歳の独身男性だ。あるとき、OLたちの「孤独が健康寿命に影響する」という会話を耳にし、自分が誰からも愛されていない現実に絶望する。「愛されたい」と一念発起し、出会いを求めて動き出すものの、結婚相談所やマッチングサイトは怖くて手が出せない。「おっさんだって怖いんだよ」と萎縮する姿は、孤独に悩む多くの人の本音を代弁している。
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岩倉は、後輩に誘われた合コンへ参加することを決意する。「おじさん好きの女子がいる」という言葉を怪しみ、「おじさん好き=若さしか取り柄のないブス」という極端で失礼な図説を脳内で展開する。このおもしろい図説について、國里さんは「岩倉を安心させる結論にするため、あえて極端に誇張した」と語る。合コンの席で、岩倉は思い描いていた出会いとは全く異なる、想定外の人物と遭遇することになる。
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やさしさがつなぐ孤独の予防
國里さんは、本作を通じて「やさしくないほうが生きるのは簡単だ」というメッセージを伝えたかったという。他人に期待せず、自分勝手に生きるほうがラクではあるが、それでは孤立してしまう。孤独を予防するためには、たとえ見返りを求めていたとしても、人にやさしく生きることが重要だ。
合コンで出会った相手に対し、岩倉は「心配」という形のやさしさを伝えることで、新しい関係を築くことができた。國里さんは、性別や年齢に関係なく、相手を思いやる関係を作ることこそが、孤独の予防になると考えている。岩倉が孤独の淵で見つけた温かい結末は、孤独を恐れるすべての人へのエールとなっている。
取材協力:國里
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