日本の「タワー六兄弟」をご存じだろうか?有名なので知っている人も多いと思われるが、東京タワー、通天閣(2代目)、さっぽろテレビ塔、名古屋テレビ塔、別府タワー、博多ポートタワーの6タワーのことである。いずれも設計したのは「耐震構造の父」と呼ばれた建築家・内藤多仲(たちゅう)で、6タワーのうち5タワーは戦後復興期から高度成長期に突入するころまでの1950年代に建てられた。博多ポートタワーは最後に手がけられたタワーで1960年代に建てられており、少し年の離れた「末っ子」である。
これまで全国の無料で楽しめる展望室をシリーズで紹介してきたが、今回は福岡市に建つ「タワー六兄弟」の末っ子「博多ポートタワー」を紹介する。
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末っ子タワーはタワー六兄弟で唯一の入館料無料!
博多ポートタワーは1964年に民間レジャー施設「博多パラダイス」の展望台兼レストランとして建てられ、その後1976年に「博多港PRセンター」としてリニューアルオープン。現在は民営ではなく公営の施設となっている。タワー六兄弟には展望室を有するなど共通点があるが、実は「兄」たちはみな民営で、展望台も有料。末っ子の博多ポートタワーだけが公営で無料だ。
タワーの高さは100メートル。展望室は地上70メートルに位置する。今回取材に対応してくれた福岡市港湾空港局の中村さんによると「階数の定めはありませんが、1階あたり3メートルで換算した場合、ビルの23階相当にあたるようです」と教えてくれた。中村さんに引き続き、話を聞いてみた。
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――タワーで入館料無料は珍しいですね。なぜ無料なのでしょうか?
博多ポートタワーは博多港のPR施設としての機能を担っており、多くの市民の皆さまに来館していただき、港の運営状況や「港が経済活動や市民生活を支えている」ということを実感していただくために、入館料を無料にしております。実際に博多港や展示物を見ていただくことで、博多港の役割について理解していただけると思いますので、ぜひ足を運んでいただければと思います。
――展望室から博多港が望めるのはもちろんだと思いますが、具体的に昼間はどのような景色が広がっているのでしょうか?
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展望室の南側は、福岡市の市街地を一望することができ、博多や天神の街並み、百道(ももち)の景色を楽しむことができます。展望室の北側については、博多港の景色を一望することができますので、行き交う船や福岡市の物流を支える施設・設備等を見て学ぶことができます。また、福岡空港を離着陸する飛行機を見ることもできます。

――では、夜はどうでしょう?
夜景になると、市街地と港が連なっていることをより感じることができると思います。また、クルーズ船が停泊している場合は、ライトアップされた美しいクルーズ船をご覧になれるのでおすすめです。
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――開設60周年に当たる2024年7月に、それまで17時までだった開館時間を20時に延長されましたよね。延長した理由は?
コロナ禍が明け、国内外からの人流が回復してきたタイミングと、博多ポートタワー開設60周年のタイミングが重なり、博多ふ頭地区の夜の賑わいを向上させるために延長を決めました。
――開館時間が延びたことで夜景を楽しめるようになったので市民や観光客も喜んでいると思います!おすすめの時間帯はございますか?
日が暮れたあとの夜景はもちろんですが、博多湾に夕日が沈むサンセットの時間帯もおすすめです。
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――博多ポートタワーは季節やイベントによってライトアップの色が変わるとか?どのように変化しますか?
春夏はさわやかなブルー、秋冬は温かみのあるオレンジの2パターンが基本です。そのほか、イベントに合わせた特別パターンなどもあって、年間スケジュールに沿って実施しております。

――この記事が出る3月のライトアップの色は何色ですか?
3月はオレンジのライトアップとなります。
――ところで、2025年12月から2026年2月まで展望室の改修工事が行われていましたが、どのようなところが新しくなりましたか?
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老朽化していた展望室の照明をスポットライトなどに変更しました。夜間の安全面に配慮をしつつ、夜景をより引き立たせるため、足元照明を設置しています。そのほか床・窓枠を黒色にしたことで夜景を引き立たせるとともに、展望室の空間をより広く感じられるようになったと思います。

――最後に博多ポートタワーの最大の魅力を教えてください。
博多ポートタワーの展望室は、福岡の「港」と「都市」が連続して広がる夜景を一望できる点が大きな魅力です。博多湾に浮かぶ船舶の灯り、岸壁や倉庫群の照明、そしてその先に広がる天神・博多市街地の灯りが重なり合い、福岡ならではの夜景を楽しむことができますので、ぜひご来館ください。
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福岡はおいしいご当地グルメが多く、国内の旅行先・観光地として常にランキング上位を獲る人気都市である。大規模なイベントやお祭りも多く、毎年春には5月3・4日の2日間に動員数約200万人といわれる福岡市民の大イベント「博多どんたく港まつり」、7月1日から15日は博多に夏の始まりを告げる「博多祇園山笠」、9月12日から18日は秋の夜長を楽しむ博多三大祭りのひとつ「放生会(ほうじょうや)」が開催され、近年は冬場のクリスマスマーケットも盛り上がりを見せる。日本五大都市にも数えられる経済都市・福岡だが、実は「コンパクトシティ」とも呼ばれている。福岡へ旅行した際に博多ポートタワーからコンパクトにまとまった街並みを一望すれば、「コンパクトシティ」と呼ばれる所以にも納得であろう。
取材・文=大庭かおり
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