
何気なくネットに投稿した怪談。それが、大切な幼馴染を無残に祟り殺す引き金になるとしたら――。
コミックシーモアで連載中の『鬼妃~「愛してる」は、怖いこと』は、鉈手璃彩子さんの人気小説を町田とし子(@matidatosiko)さんがコミカライズした、背筋も凍るホラー作品だ。
2024年8月には電子コミックス第1巻も発売。読者を奈落へ突き落とすような「理不尽な恐怖」と、緻密に描かれるキャラクターの深淵について、町田さんに話を聞いた。
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※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。
「自分だったらどう描くか」 葛藤の末に挑んだ、怖ろしくも悲しい世界観



本作を手掛けるきっかけは、原作小説の圧倒的な世界観に魅了されたことだった。町田さんは、多忙なスケジュールの中で依頼を受けるか最後まで悩んだという。
「『ここのシーンは自分だったらどう描こうかな』と四六時中考えてしまい、最終的に自分の気持ちに素直になろうと決めてお引き受けしました。キャラクターの心理を私なりに深掘りし、原作と交互に読むことで『このキャラにはこんな一面があったんだ』とより深く楽しめるような構成を心がけています」
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特に苦労しているのは「男性キャラクター」の描写だ。原作に登場する魅力的な男性陣のイメージを損なわないよう、中盤に登場するあるキャラクターは、納得がいくまで何度も描き直したという。
「私のせいじゃない」が通用しない絶望。糾弾される恐怖はすぐそばにある
物語では、鬼にまつわる忌み話を広めたことで、幼馴染の知景ちゃんが変わり果てた姿で発見される。町田さんは、この「理不尽さ」こそが本作の真髄だと語る。
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「自分が何気なく話したことが原因で『あんたのせい』と糾弾される。これは現代のSNSなどでも起こり得る、非常に身近な恐怖です。一度犯人に仕立て上げられれば、どんな弁明も『反省していない』と叩かれる材料になってしまう。この絶望感には、私自身も耐えられないと感じます」
忌み話がおとぎ話ではなく、現実の殺意を持って襲いかかってくる。逃れようのない「罪のなすりつけ合い」と、鬼という存在の不気味さが、読者を重苦しい不安へと誘う。
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負の感情から、明るい企画まで。町田とし子が描く今後の展望
ミステリー、歴史物、ラブコメと多才なジャンルを手掛けてきた町田さん。「負の感情をのせた作品が多いですが、今後は明るい作品も描けたら」と語りつつ、現在はオリジナルの新企画も水面下で進行中だという。
先祖代々村を守ってきたはずの舘座鬼家(たてざきけ)に何が起きているのか。知景ちゃんの死の真相と、その裏に隠された愛憎の行方。負の連鎖がどこへ辿り着くのか、新潮社KANATAレーベルから発売された単行本と共に、その結末をぜひ見届けてほしい。
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取材協力:町田とし子(@matidatosiko)
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