
一見、安定した家庭に見える薬師寺家。しかし、その内部は静かにヒビ割れ進行中である。夫・薬師寺シュウは職場では有能扱いだが、家事と育児は妻任せ。対する毒山家では、パチンコ好きで無職のヤンキー・毒山ゴンが、なぜか主夫としてフル稼働している。この両極端な二世帯が、じわじわと崩壊へ向かっていく過程を描くのが、横山了一さん(@yokoyama_bancho)の「どちらかの家庭が崩壊する漫画」である。
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崩壊フラグ、同時多発で立ち上がる



ある日、主夫ゴンのもとに舞い込む怪しさ満点の仕事話。「電話をかけるだけで月100万円」。読者の脳内では一斉に警報が鳴る。「それ、絶対ダメなやつ!」。しかしゴンは、まさかのやる気スイッチON状態。家庭崩壊メーターが一気に跳ね上がる。
一方、義母問題で長年ストレスを溜め込んできた薬師寺ユイは、ついに決意する。「義母と距離を置きたい」。結婚後、初めてはっきりと口にした本音だった。だが、その直後、今度はシュウの周囲に女性の影モヤモヤ案件が浮上する。
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止まらない不安材料の雪だるま化
本作は、2022年にX(旧Twitter)へ投稿された「大晦日にどちらかの家庭が崩壊する漫画」が原型となっている。毎日更新ということもあり、展開はジェットコースター級。トラブルが来る、さらに積む、また来る。家庭不安が盛り盛りフルコースで提供される。
読者の反応はほどほどに、物語は全力疾走
横山さんは、読者の反応をありがたく受け止めつつも、普段はあまり気にしすぎないという。反響が大きければ要素を拾うこともあるが、基本は「描きたいように描く」。本作では「大晦日に崩壊する」というゴールが先に決まっていたため、序盤は特にスピード感を重視した。必要な要素を次々投入し、崩壊後は丁寧に描く構成にしたという。
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ヤンキーパパ・ゴンの謎進化
ゴンは小遣い5000円を告げられ、「1円パチンコでも…」と呟くギャンブル好きだ。しかし子どもの世話はきっちりこなす。初登場時に比べると、ギャンブル熱はだいぶ沈静化している。横山さん曰く、「理想のヤンキーパパ」を描いていたら、自然とトーンダウンしていったとのことだ。
ユイの“自己主張レベルアップ”も見どころ
「自分の気持ちを初めてはっきり言えた」。涙ぐむユイの姿は、物語の中でも大きな転換点だ。言いたいことを飲み込んできた妻が、少しずつ変わっていく。その成長も、本作の重要な軸となっている。
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果たして、ゴンは100万円の甘い罠に足を踏み入れてしまうのか。そしてユイは、夫と女性の影にどう向き合うのか。二つの家庭が迎える結末は、最後まで予測不能だ。
取材協力:横山了一(@yokoyama_bancho)
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