
アルバイトから正社員へと登用され、勤続15年目を迎えたベテラン社員。しかし、現実は過酷だった。連日の残業をこなしても手取りは十数万円にとどまり、パワハラ気質な上司からの圧力が追い打ちをかける。「辞めたい」という思いを抱えながらも、なかなか一歩を踏み出せずにいた。
そんなある日、異変が起きる。突然涙が溢れ出し、布団から出られなくなってしまったのだ。心が限界を突破し、ようやく退職を決意する。この壮絶な実体験をキャラクターの「ねこくん」を通して描いたあおいしさん(@ao144444)のリアルエッセイ『残業ねこ』が、多くの共感を呼んでいる。
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転職活動で突きつけられた「自分の市場価値」




作中のねこくんは、深夜に終電で帰宅し、数時間後には再び出勤するという過酷なルーティンを繰り返す。値引きされた惣菜とストロング缶を自分へのご褒美に、なんとか自分を鼓舞する日々。しかし、「明日が来るのが怖い」という恐怖で眠れなくなり、体が悲鳴を上げたことが転機となった。
退職を決めたあおいしさんを待っていたのは、転職という高い壁だった。15年のキャリアがあればどこかには決まると楽観視していたが、転職サイトに登録しても1社からもスカウトが届かない。そこで初めて、外の世界での「自分の市場価値のなさ」を痛感したという。
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苦労の末に転職先が決まったときには、SNS上で多くの祝福が寄せられた。この反響を受けて書籍化も決定。あおいしさんは当時の心境をこう語る。
「素直に『うれしい!』という気持ちでいっぱいです。自分の描いた漫画が紙の本になることは昔からの夢だったので、お話をいただいたときは飛び跳ねるぐらいうれしかったです」
単行本化にあたっては、SNS版をベースに全ページをイチから書き下ろし、さらに「転職後」の後日談も収録されている。
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働きながら漫画を描く「デトックス」の時間
平日はフルタイムで働きながら、早朝や深夜の隙間時間、さらには土日をすべて費やして執筆を続けたあおいしさん。スケジュール管理のためにExcelを使用するなど、納期への執念は凄まじい。そこまでして漫画を描き続ける理由を、あおいしさんはこう明かす。
「私にとって『漫画を描く』ということはデトックスに近いです。辛いことや悲しいことを漫画にして吐き出しています。SNSで公開することで共感をいただけるのはすごくうれしいし、救われます」
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本作は単なる苦労話にとどまらず、面接や資格試験へのアドバイスも盛り込まれている。もし今、仕事で悩み「転職」の二文字が頭をよぎっているのなら、ねこくんの奮闘記を手に取ってみてほしい。
取材協力:あおいし(@ao144444)
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