
宅配便の段ボールから「キューキュー」と、どう聞いても動物のものと思しき鳴き声が響いてくる。しかし、送り状の品名欄には堂々と「桃」の二文字。果物にしては元気すぎる音に、現場は一瞬ざわついた。長年宅配業界で働いてきた、ゆきたこーすけ(@kosukeyukita)さんが描く「運び屋ゆきたの漫画な日常」から、思わず二度見してしまう“入れてはいけない品物”の体験談を紹介する。
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「桃」なのに鳴いている…現場が一瞬フリーズした瞬間



宅配会社によっては、生き物の配送を規約で禁止しているところも少なくない。それでも現場では、品名をごまかして生き物を送ろうとするケースに、まれに遭遇するという。実際、熱帯魚や昆虫、爬虫類などが「雑貨」や「食品」として記載されているのを見かけたこともあったそうだ。規約があっても、現場レベルではグレーな運用が続いているのが実情なのかもしれない。そんな中で届いた、「桃」と書かれた鳴く段ボール。なんとその正体は「モモンガ」…!
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「生き物NG」でも抜け道はある?現場で見てきた品名の実態
生き物は送れないはずなのに、品名を「食用」「生き餌」と記載すると通ってしまうケースもあったという。実際に、「食活用」や「生き餌」と書かれた荷物が運ばれてくることもあり、ルールと現実のあいだで現場が板挟みになる場面は少なくなかった。今回の「桃」も、そんなグレーゾーンの延長線上にあった出来事だった。
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道端で倒れていた鳩が教えてくれた“正規ルート”
そんなある日、ゆきたさんは道端で行き倒れている鳩を発見する。保護してみると、足には連絡先が記された輪がついていた。電話をかけてみると、その鳩は富士山から秋田まで飛ぶ鳩レースの途中で力尽きてしまったのだという。指定された会社を訪ねると、そこで渡されたのは「鳩専用ボックス」。実は鳩に限っては、専用の箱を使えば正式に配送できる仕組みがあり、レース鳩を送る需要も確かに存在しているのだそうだ。すべての生き物がNGというわけではなく、ルールの中にはきちんとした例外も用意されていた。
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「知らなかった」では済まされない、だからこそ面白い現場のリアル
宅配便では、生き物を送れない業者も多く、知らずに依頼するとトラブルにつながる可能性がある。本作のような出来事は決して他人事ではなく、現場では日常的に判断を迫られている。ゆきたさんのアメーバブログ「運び屋ゆきたの漫画な日常」では、こうした宅配現場ならではの実録エピソードを毎日1本更新中。読者から寄せられた体験談をもとに描かれる漫画も多く、「おもしろい」「困った」どちらの話も大歓迎とのことだ。何気なく使っている宅配便の裏側には、今日もこんなドラマが詰まっている。
取材協力:ゆきたこーすけ(@kosukeyukita)
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