
SNSやブログ「横山家のマンガ。」などで、「戦国コミケ」「新しいパパがどう見ても凶悪すぎる」など数々の人気作を発表し、ファンを魅了し続けている漫画家・横山了一(@yokoyama_bancho)さん。そんな横山さんの作品のなかから、「どちらかの家庭が崩壊する漫画」を紹介。本作の制作秘話について、作者の横山さんに話を聞いた。
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作者の価値観がにじむ家庭描写と緊張と緩和が共存する演出の秘密



エリート社員のシュウ、妻のユイ、ひとり娘のリエからなる薬師寺家は、誰もが羨む裕福で穏やかな家庭に見えていた。しかし、シュウの浮気を疑う出来事や、義母との同居を一方的に決められたことをきっかけに、ユイはついに家を離れる決意をする。その後、ユイが友人・毒山家に身を寄せている事実がシュウに知られてしまい、事態は思いもよらぬ方向へと転がり出す。
一見すると理想的な家庭に見える薬師寺家を舞台にした本作「どちらかの家庭が崩壊する漫画」は、単なる家庭崩壊の物語にとどまらず、作者自身の想いや日常感覚が繊細に染み込んだ作品である。
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作品の背景について、横山さんは「特にうちの家族を反映させているわけではないですが、子供との時間を大切にしている親をよく出しているような気はします。(自身も子供がいるので)こうありたいな、というのがにじみ出ているかもしれないですね」と語る。
理想と現実の狭間にある感情がキャラクターの振る舞いに影を落としていることがうかがえる一方で、物語が重くなりすぎない理由についても「基本がギャグ漫画家なので、ついついギャグっぽいシーンを入れて雰囲気をなごませてしまうクセがあります」と明かしており、その感覚は横山さんお気に入りの場面だという「夫同士(シュウとゴン)のシーンと、シュウの母・サトコの顔芸一連」にも表れている。
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さらに、横山さんの私生活の一端として「とりあえず初夏からずっと短パンを履いています。そして夏の終わりまで履き続けます」と語る軽妙な言葉が、重厚なテーマに不思議な親近感を添えている。
取材協力・画像提供:横山了一(@yokoyama_bancho)
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