
元ゲーム会社所属デザイナーで、現在はストーリー漫画をメインに執筆している吉良いと(@kilightit)さん。個人で作品を公開・販売するほか、商業誌にも作品を掲載するなど、精力的に活動している漫画家だ。初めてアップした『幽霊が視える葬儀屋さん』は、「このお話ほんとに好きです」「1度見たことあるはずなのに泣いてしまった」など、多くの読者に感動をもたらし、最大13万いいねがついた。

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今回は、『幽霊が視える葬儀屋さんと死にたい会社員』をお届け。先輩を追い詰めて殺した会社へ復讐するため、男はビルの屋上から飛び降りようとしていた。そんな彼の行為を阻止しようと、“視(み)える”葬儀屋・烏丸枢(からすま・くるる)は男に向かって地上から笑顔で声をかける。いらだちを覚えた男は叫んだ。「なんで俺の邪魔をするんだよ!」。

「俺がお願いしたんだ」。声の主は先輩だった。男のことが心配になった先輩は、助けてやってくれと烏丸に依頼していたのだ。先輩は男に強く訴える。「お前は生きているうちに逃げろ…!」「俺のところに来たらぶっ飛ばしてやるからな!」。
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先輩の思いを聞いた男に、烏丸は“まだ死にたいか”と声をかける。その問いに、男は涙を流しながら「逝ける訳ねぇだろ…」と答えるのだった。

作者の吉良いとさんに、この作品に対する思いを聞いてみた。
「このお話は漫画『ようこそ亡霊葬儀屋さん』第2巻に収録されている短編です。私も会社員だった時代があるので、登場キャラクターたちの苦悩を少しは理解できます。間違った「勇気」の使い方を先輩は咎めてくれたのでしょう。この漫画を読んだ方の心に何かを残せていましたら幸いです。」
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X(旧Twitter)の投稿には「泣ける」「最後に何かが報われるってところに救いとか優しさを感じてホッとする」「きっといい先輩後輩だったんだろうなぁと想像しちゃいました」といった感想が寄せられている。先輩の葬儀をないがしろにするような会社だから、きっと男が飛び降りていても復讐にすらならなかっただろう。先輩と烏丸に命を救われた男の再スタートを応援したい。
画像提供:吉良いと(@kilightit)
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