
離席する同僚に「さよなら」は言わない。なぜなら数時間後にまた会えるからだ。連日の残業は当たり前で、昼食は片手で食べられるラップ飯や、時折賞味期限が切れたパンを食べることもある。
そんな社畜真っ只中の「残業ねこ」が、勤続15年の怒りを爆発させ、退職に至るまでを描いたあおいしさん(@ao144444)の実録漫画「残業ねこ」を紹介する。退職までの道のりは長く、転職先が見つかってからも会社の足止めが激しく心身ともに疲労したという。
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月100時間残業で手取り10数万円の絶望




ねこくんの勤務先は残業が多く、月100時間を超えても手取りは十数万円しかない。ある日「転職してぇ」と一念発起し、転職サイトへ登録した。しかし、1週間経過しても雇用の打診はこない。学歴も資格もない自分の価値の低さに愕然としたねこくんは、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得するために奮闘することを決意する。
昼休憩すらゆっくりとることができない職場環境の中、休日と仕事終わりを勉強の時間にあて、なんとかFPの資格を取得した。
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FPの資格を選んだ理由について、あおいしさんは「給料の安い現状に不安になり、自分の将来のライフプランの設計をするためにも、イチからお金の勉強をしようと思いました。その際に、どうせ勉強するなら資格がほしいと思い、幅広くお金の知識を学べるFP資格を選びました」と語る。
「円満退社」の難しさと引き留め工作
結果的にFPとは異なる職についたが、勉強して得た知識は仕事でもプライベートでも役立っており、「資格を取ったということが自分の中で自信となり、それが転職のきっかけにもなりました」という。
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しかし、無事に転職先が見つかった後も簡単には辞められなかった。法律では14日前に提出すればよいが、上司から「退職を2カ月延期してほしい」と打診される。「本当はすぐにでも辞めたい気持ちは強かったのですが、受け持っていた仕事量がすごく多かったので、引き継ぎをきちんとして辞めようとは思っていました」と当時を振り返る。
勤続15年のベテランが退職するのは会社にとっても痛手だったようだ。あおいしさんは「円満退社はよほどな理由がない限り難しいと思います。周りのことは気にせず、辞めるときは、気持ちを切り替えて行動したほうがよいです」と語った。
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長く働いた会社だけに葛藤もあり、辞める決断に数年かかったという。資格を取得し、諦めずに努力し続けてもぎ取った退職に、心からの「お疲れさま」を届けたい。
取材協力:あおいし(@ao144444)
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