
海外を旅するなら、そこでしか得られない特別な体験を求めるものだ。しかし、いつでも劇的なことや嬉しいことに遭遇するわけではない。
漫画家の五箇野人さん(@gokayajin)は、ゲッサンで連載中の作品や『つかれたときに読む海外旅日記』など、海外で体験した出来事を描く人気の作家だ。SNSやブログでも日々エピソードを漫画として発表し、人気を博している。


そんな五箇野人さんが2024年から公開を始めた新シリーズが『そんな日もある。』だ。これまでの旅日記とは対照的に、レジの店員に長電話で放置されたり、飲み会に自分だけ誘われず蚊帳の外に置かれたりという、がっかりする小さな出来事を淡々と描いている。このシリーズをスタートした想いを、作者の五箇野人さんに聞いた。
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「喜、楽」から「怒、哀」へ…制作のベクトルの反転



シリーズを立ち上げた想いを尋ねると、「今までの旅日記では喜怒哀楽でいうと『喜、楽』をずっと描いてきたので、『怒り』『哀しみ』というと大げさですが、『怒、哀』を描けないかと以前から考えていて、今回のような形に落ち着きました」と、制作のきっかけを明かした。
このシリーズで描かれる、蚊帳の外に置かれたり、運悪く並び直しになったりという体験は、まさに「そんな日もある」と言いたくなるものだ。制作の違いや難しいポイントについては、「軽いエピソードだが一応バッドエンドなシリーズですので、優しい雰囲気のカラーにして暗くなりすぎないようにしつつ、1ページにコマとセリフを詰め込む旅日記とは対照的に、なるべく少ないセリフで描きたいなと意識して進めています。いろんな面で旅日記の逆に振れたらなぁと考えています」と語る。
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「そんな日もあるかぁ」と理不尽を笑い飛ばす
ちょっと貧乏くじを引いたようなエピソードでも、くすっと笑える柔らかな雰囲気を本シリーズには感じる。読者にはどんな風に同作を楽しんでほしいかというメッセージの軸は、「世の中の理不尽を『そんな日もあるかぁ』と笑ってしまう」ことだという。
「日本での暮らしの中でもいろんな考えや習慣の人がいるので、読者さんも生活の中でネガティブな感情になるときもあると思いますが、このマンガを通してよい意味で気楽になれるお手伝いができたらなぁと思っています」と、読者への想いを語った。
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