
いわゆるZ世代を中心に「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する人が増えている。このタイパに対し、「オイラは肯定派!」とX(旧Twitter)で明言したのは、週刊少年マガジン新人漫画大賞・特選受賞デビューの漫画家・玉屋かつきさん(@TamayaKatsuki)だ。彼は、まんが学術文庫『西郷南洲遺訓』なども執筆している。4コマ漫画『「タイパ」は是か非か?』をXで公開した理由について、玉屋さんに話を聞いた。
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「豊かさが痩せてしまう」…タイパだけではない人生の価値



玉屋さんは、本作を描いた経緯について、「自分くらいの年代でも世の中の流れについていくにはそうせざるをえない、という認識があったから、タイパを否定的にとらえてはいませんでした。その上で、人生はそれだけではないだろうと…」と語る。本作のキャラクターに具体的なモデルはおらず、自分の考えをそのまま反映している。
4コマのストーリーを描く際に注意しているポイントは、出来事のネガティブやポジティブに関わらず、違和感が引っかかりになる事が多いことだという。それについて自分なりに落とし所をつけているが、単なる個人攻撃にならないようには気をつけている。
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読者に伝えたいメッセージやテーマは、「タイパもイイが、それがすべてではない」ということだ。「例えば、ドラマや映画を倍速で観てしまったら、セリフのないシーンでためらう間など、0.5秒違うだけでもキャラの印象が変わってしまう。それについて観ている側も解釈する時間も無くなってしまう。表面的な情報だけで、豊かさが痩せてしまうのは勿体ない」と、タイパ偏重への懸念を示した。
読者からの反響が制作に影響を与えるかという問いには、「基本的に、自分がなんとなく思った事を素直に描くようにしていて、それを楽しんでもらえたらイイですね。あまり読者のウケを狙いすぎると、それに引っ張られて作為的でわざとらしくなると思うので、サービス精神もほどほどにしています」と、創作姿勢を明かした。
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