
緩やかなホラー感とゾワッとした読後感で人気の、原作・梨さん、漫画・景山五月(@unyamho)さんがダッグを組んだ「コワい話は≠くだけで。」を紹介する。ドバドバ血をみせるシーンや恐怖で気が狂うようなシーンはなく、淡々と語られる実話風モキュメンタリー漫画がリアルで怖いと人気を集めている。
深夜の住宅街に潜む「そこにはないはずの家」



今作「コワい話は≠くだけで。」はホラー作家である梨さんの原作を、漫画家の景山五月さんが描いた作品だ。今回紹介する「第3話閑静」は、高校生の翔矢と家出癖のある友人との間で繰り広げられる、不可解な出来事を描いている。
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「家にいるのがだるい」という理由で、夜中にふらりと家を出てしまう友人を心配する翔矢は、位置情報アプリで彼の居場所を確認していた。ある夜、友人が住宅街の一角から動かなくなったことに気づく。しかし、そこは地図上では家など存在しない、ただの空き地のはずだった。不安に駆られた翔矢が電話をかけると、友人は「泊めてくれる家にいる」と話すが、どこか様子がおかしい。深夜、友人が辿り着いた「そこにはないはずの家」とは一体何なのか――。
作者の景山五月さんは、「テンポ感やコマの構成など、演出にはかなり気を配っています」と語る。飽きさせないスピーディーな展開と、日常と地続きのような描写で恐怖を煽り、読者の心を惹きつける。また、「怖いシーンの絵も、読者の皆さんにちゃんと嫌な気持ちになってもらいたいなと思って描いています」と、恐怖演出へのこだわりを明かした。
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「実録漫画は描いたことがない」という景山さんだが、今作はフィクションをドキュメンタリー風に描いた「モキュメンタリー」を採用。「実録っぽさ」を出すために「エッセイ漫画の作家さんが描いた作品は読んで参考にしています」と、リアリティを追求していると語る。
最後に、景山五月さんは「これからも漫画をいろいろ描きたいと思っていますので、楽しんでいただければ幸いです」とメッセージを送ってくれた。
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取材協力:景山五月(@unyamho)
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