
作画:尾花せいご(@seishoobi)さんと監修:西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんによる創作漫画「放課後おまじない倶楽部」は、迷信研究部に入部した少年と、不思議な雰囲気が漂う顧問との日々を描くオリジナル作品だ。
緻密で精細な絵とノスタルジックな絵柄に定評のある尾花さんの作画と、西洋魔術や西洋の魔物、伝承、迷信などの著書多数の西洋魔術博物館さんが監修した多彩な迷信やおまじないのエピソードが大きな魅力となっている同作。エピソードの紹介とともに、監修の西洋魔術博物館さんに作品内で描かれる伝承について詳しい話を聞いた。
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奇妙で愛らしい恋のまじないたちと、乙女たちの想いの歴史



本作「放課後おまじない倶楽部」を監修した西洋魔術博物館さんが、恋の成就を願うおまじないとして、とりわけおもしろいと教えてくれたのは「カタリナ四連発」と呼ばれるもの。未婚の女性が11月25日に聖カタリナの礼拝堂近くの井戸で、「夫が欲しいです、聖カタリナ様!それもハンサムで、聖カタリナ様!お金持ちで、聖カタリナ様!なるべく早く、聖カタリナ様!」と唱えると、その夜に将来の夫を夢で見るとされる。
また、1月20日の聖アグネス前夜には「夕食を抜いて空腹状態で眠ると将来の伴侶の夢を見る」という伝承があり、西洋魔術博物館さんは「このおまじないが有名になったきっかけは英国を代表する詩人ジョン・キーツの作品『聖アグネス前夜』でしょう」と解説する。聖人の祝祭日前夜はおまじないに最適とされ、霊的な力が高まる日と信じられてきた。
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さらに、ハロウィンも”おまじないの特異日”だそうで「おまじないは妖精や小悪魔、悪霊、死霊などがエージェントとなって成就するとの発想があり、煉獄の扉が開くハロウィンは彼らの活動にもってこいの時期と考えられています」と教えてくれた。
1950年代の英国では「郵便配達の車にある王家の紋章に触ると恋がかなう」というおまじないが流行したそうで「ロイヤルウェディングから派生する伝承は興味深い分野ですね」と、西洋魔術博物館さんは語る。
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乙女の願いは、今も昔も変わらず、静かに夜の夢に宿っている。
取材協力:西洋魔術博物館(@MuseeMagica)
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