漫画『水ムーちゃんねる 隣の晩怖談』では、作者の水村友哉さん(@gontanopoo)が実際に聞いた、集めた、体験した「実話怪談」を描いている。今回は、隣の晩怖談の第23談「貝殻の呪物」を紹介するとともに、作者に制作の経緯を聞いた。
原因不明の高熱、舌を顎の下まで突き出して硬直…



水村さんがホラー漫画を描くきっかけは、水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』だったという。子どもの頃からの夢であった漫画家になり、現在、実話怪談漫画を描いていることに「ほんとありがたい」と語った。
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今回紹介する『水ムーちゃんねる 隣の晩怖談』第23談「貝殻の呪物」は、コミックス第4巻に収録されている実話だ。水村さんの知人の紹介で出会った鈴森さん(仮名)と、その娘のあやのちゃんの実体験に基づいている。
見どころは、4歳のあやのちゃんがある「貝殻」をもらってから続いた不可解な現象だ。原因不明の高熱が続いたり、夜中に突然何かを喋り出したかと思うと、舌を顎の下まで突き出して硬直したりしたという。さらに、あやのちゃんは「ベランダにお婆さんがいる」と言い出すようになる。しかし、その部屋は10階の角部屋で、ベランダに誰かがいることは考えられない状況だった。母親は、この奇妙な現象が貝殻をもらってからだと気づく。
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「視えているのかもしれない」あやのちゃんと悲しい歴史のリンク
描くにあたり、水村さんは実際に鈴森さんとあやのちゃんに会い、話を聞いてきたという。4歳のあやのちゃんは人懐っこくてかわいらしい子だったが、「僕の背後に『女の人がいる』と言ったりと不思議なことを淡々と話す子でもあり、『この子はいろいろ視えているのかもしれない』と感じた」そうだ。
なぜなら、漫画内では伏せているが、このエピソードの舞台となった駅や地名は、昔から悲しい歴史がある場所で、あやのちゃんが視たものが不思議とリンクしていたからだという。水村さんは、「わかる方にはその“気配”を感じていただきたいですし、わからない方にも『こういうことって本当にあるんだ』と思いながら読んでいただけたらうれしい」と語った。
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有名怪談ユニット「都市ボーイズ」との縁
実は、この話は「怪奇ユニット 都市ボーイズ」のYouTubeチャンネルでも朗読され、初めて紹介されたエピソードだった。水村さんは、「まさか、投稿者ご本人と直接つながって話が聞けるとは思っていなかった」という。都市ボーイズの動画では、問題の「貝殻」も紹介されているため、実話怪談としてあわせて楽しむことができる。
水村さんは、自身がコロナ禍に熱心に観ていたオカルト・心霊系YouTubeのひとつであった「都市ボーイズ」と、縁あってコラボが実現したことを明かした。
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取材協力:水村友哉(@gontanopoo)
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