
家族間の深い確執を描く漫画家、魚田コットンさん(@33kossan33)が、夫婦関係をテーマにしたエッセイ漫画『育児今昔物語』を発表した。本作は、家事と育児のワンオペに限界を迎えた魚田さんが、夫に助けを求めた際に「仕事で疲れているから」と拒否されたことから始まる大喧嘩と、その結末を描いている。仕事と家事育児を一人でこなす中で募った「不平等」への不満と、夫婦のコミュニケーションにまつわる体験談について、魚田さんに話を聞いた。
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「母親一人でこなせる量じゃない」不満が爆発した理由



パート勤務に加え、在宅ワーク、そして家事と育児をすべて一人でこなしていた魚田さん。子どもを寝かしつけた後、食事を終えた夫が「もう寝るよ」と言ったことで、溜まったストレスが爆発した。「夫は仕事だけ、家事はお手伝い程度。これは不平等だ」という不満から始まったという。
子どもが一人だった頃は、「母が家事・子育てをするのが当たり前」という昔ながらのジェンダー観から、できない自分を責めていた時期もあったそうだ。しかし、子どもの人数が増えるにつれてやるべきことが二倍三倍に膨らみ、「普通に母親一人でこなせる量ではない」と痛感。「父親も親なのに、家族なのに」という思いが不満として爆発したのだ。
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夫の「だんまり」が招いた不信感と妻の行動
夫に助けを求めた魚田さんだったが、返ってきたのは「平日は無理かな。疲れとるし…」「休みの日はわりとやっているし、ゴミ出しもしている」という言葉だった。魚田さんは「私は、朝起きてから夜寝るまで息つく暇もないくらい働き続けているのに!!」と激怒し、大喧嘩になる。
魚田さんが最も嫌悪感を抱いたのは、話し合いたいときに夫が「だんまり」を貫く態度だという。「家事を分担しようと言っているだけなのに、なぜ何も言わないのか」と疑問を感じ、それが繰り返されるうちに、「結局、この場をやり過ごせば、また私が全部やってくれると思っているのだろう」と、夫への不信感を募らせていった。
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言葉での話し合いが成立しないため、魚田さんは「言葉で言われると考える時間がないのかもしれない」と考え、家事分担の話し合いを文字で書くことを提案した。
「家族でいたかった」諦めの悪さが招いた結末
魚田さんは、そこまでして夫と向き合おうとした理由を「家族でいたかったのだと思う」と語る。もし夫が全く意見を聞き入れず、逆ギレするような人であれば離婚していただろう。夫の温厚さと、魚田さんの諦めの悪さがあったからこそ、今の魚田家ができていると言っても過言ではないと振り返る。
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大変な労力を使い、お互いの落としどころを探した魚田さん夫婦。しかし、その努力は夫婦の絆を深めるどころか、想像していなかった展開に発展していく。家事育児や夫婦関係に悩む人は、ぜひ2人が選んだ結末を読んでみてほしい。本作は現在、Kindleで無料公開中だ。
取材協力:魚田コットン(@33kossan33)
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