
「ムカサリ絵馬」という風習をご存じだろうか?未婚のまま死んだ人が寂しくないよう、死後に結婚させる“死後婚”だ。実際に東北地方、主に山形で江戸時代から残っている風習で、婚礼服姿の男女の絵を奉納するが、この儀式には破ってはいけない掟がある。その掟とは一体…?もし破ってしまったらどうなるのか?
そんな「ムカサリ絵馬」にまつわる背筋が凍るホラー漫画『鬼の居る間にわたしたちは』(著者:三ノ輪ブン子さん(@minowabunko)の第2話を紹介する。
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転校生の肩には凶悪な怪異が憑いていて…



主人公の女子高生・螢は怪異が見える体質だった。ある日転校してきたあざみの肩には凶悪な怪異が憑いており、その事件をきっかけに2人は仲良くなる。事件から2週間、何事もなく平穏な日々を過ごしていたのだが…。
ある朝、学校の校門に、転校生・あざみを追って前の学校の男子生徒が押しかけ、交際を迫っていた。異常なほどにあざみに執着する彼のストーカー行動は徐々にエスカレートし、螢が「生き霊とかになられたら困る」と心配していた矢先に事件は起き、「ムカサリ絵馬」絡みのホラーな展開へと進んでいく。
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「死者と生者」の境目…日本らしいホラーの表現
数々のホラー漫画を描いている三ノ輪さん、今回の作品で「ムカサリ絵馬」の風習を取り上げたきっかけは、「元々フランスの漫画アプリに掲載されていた作品なので、何か日本らしいホラーにしたいと思ったからだ」と語る。「死者と生者を同じように対等に扱うのが日本らしい」と感じたという。ただ、調べてみると他の国にも似た風習があり、フランスでは死者との結婚が認められている国だと知ったそうだ。
ストーリー終盤、新郎姿の男子高校生の目がうっすらと開いたシーンについて、「なぜ目が開いたのかに明確な答えはありませんが…。死者と生者の境目が常にあいまいで混じり合うところが、日本のホラーの好きなところです。彼も死んでしまったからといって彼の思いや存在まで死んでしまったわけではないので、その辺りの何が生きていて死んでいるのかわからないあいまいな世界を、あのシーンで描けていたらいいなと思います」と、描写に込めた思いを明かした。
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【漫画】本編を読む
取材協力:三ノ輪ブン子さん(@minowabunko)
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