
ある日、母からの連絡で愛犬・たろうの死を知ったチャン・メイさん(@masondixon402)。「今日の夕方にはお別れです」という文面を見て、急いで実家へ向かう。そこには、静かに息を引き取ったたろうが眠っていた。大号泣するはずだったのに、なぜか涙は出てこない。今回は、そんな実体験を描いた漫画『今日の夕方にはお別れです。』を紹介するとともに、作者に制作の経緯や当時の心境を聞いた。
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「ぶわり」とこみ上げてきた感情



「たろう、今朝、お母さんの枕元で硬くなってた。まだあったかくて、なんだか生きてるみたい」
朝7時、母からの連絡で愛犬の死を知ったチャン・メイさん。医師から宣告された通り、たろうはわずか1カ月で旅立ってしまった。雲1つない夏の日に実家へ向かうと、いつも大喜びで出迎えてくれたたろうの姿はなく、リビングで静かに眠っていた。大号泣する覚悟で家を出たはずが、たろうを目の前にしても涙は1滴も出てこない。「寂しい」という感情を押し殺すために、何も感じないようにしていたという。
しかし、たろうの生きた証に触れた瞬間、押し殺していた感情が「ぶわり」と沸き上がってきた。
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この「悲しくても、涙が出ない状況」を描いたことについて、チャン・メイさんはこう語る。「本当に気持ちが動くときって、そのできごとを目の当たりにしたときじゃなくて、もう少しタイムラグがあると思う。なんなら、そのできごととは全然関係ない日常的瞬間だと思う」。
お風呂でリラックスしているときや、掃除などのルーティンをこなしているときなど、心が落ち着いた瞬間に「ぶわーっと感情が入り込んでくるような」感覚を表現することで、よりリアルで生々しい作品になると考えたそうだ。
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取材協力:チャン・メイ(@masondixon402)
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