人生100年といわれる高齢者が切っても切れないテーマ「認知症」。今回は、『祖母みや子100歳~年を取るって楽しく愉快だ!~』より「認知症」との付き合い方を描いたエピソードをお届けするとともにきよまろさん(@sobomiyako98)に話を聞く。“最強おばあ”みや子さんの友人が認知症になったら?
認知症の進行とともに多少配慮はすれども、区別や差別もしない

みや子さんの友人ミヨばぁが認知症を患った。ミヨばぁは元看護師で、「80歳以上の4人に1人は、アルツハイマー型認知症なのよ」と言い「私、アルツハイマーになったらどうしよう!?」と怯えていた。しかし、そのころにはもうゴリゴリの認知症を患っており、何度も同じことを言っていたという。
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2人の関係は「認知症であってもミヨはミヨ。認知症だからといって交友関係が変わることなく、特別扱いするわけでもない。認知症の進行とともに多少配慮はすれども、区別や差別もしない。実にフラットな関係だったと思います」と、話す。「祖母は膝や心臓が悪かったので、立ち上がりをミヨばぁが介助していましたし、逆にいろいろなことを忘れてたときには泣き出してしまうミヨばぁを、祖母がただ傾聴して慰めることも日常の一コマでした」

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認知が進行しているときは、自分が何をしていたか、忘れてしまったりすることも少なくない。たまにならそこまで気にしないが、それが何度も続いてしまうと、「どうしてこうなってしまったのか」「このままもっとおかしくなってしまうのではないか」といった疑問から大きな不安に苛まれるようになるという。


ミヨばぁが認知症になって繰り返すのは、家族のこと。とくに子ども2人が東大に行ったことは自慢だったようだ。しかし、「うちの息子にも爪の垢でも煎じて飲ませたいわ」と返すと、ミヨばぁは「立派すぎて、子どもたちは皆都会に行ってしまった…寂しい」と泣き出すこともあった。
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みや子さんは、認知症について「病気や障害は好きでなるわけでも選んでなるわけでもないので、友人たちと病気やままならない身体の愚痴を言いながら、ときに笑い合いながら過ごしていた姿は印象的です」あるべき姿として受け入れていたという。


「少し前まで『認知症になると家族や周囲は大変だが、なった本人は気楽な病気だ』と言われた時代がありました。しかし、祖母の話や実際のミヨばぁを見ていると、進行していく症状に不安や葛藤を常に抱えていたように思います。『認知症である前に一人の人間』という偏見を持たず向き合う祖母の姿勢や地域で支えあうコミュニティは本当に『優しい世界」』ったと感じています」
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認知が進んでいく怖さをミヨばぁ本人も感じていたようだ。漫画では「私の1人暮らしに少しでも危険を感じたら息子や娘に言って、施設に入れてほしい」と、みや子さんに諸々必要な書類を渡した。今、65歳以上の5人に1人は認知症になるといわれている。
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取材協力:きよまろ(@sobomiyako98)
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