
スマホにかまけて、ビラ配りをはじめ道行く人の声かけを聞きもせず「いらない」とあしらっていた男性。けれど、不穏な「…いりますか?」という問いにも「いらないから」と答えてしまったことが仇となり――。
不用意な反応がよからぬものを招いてしまうのはホラーの常道。そんな恐怖展開と予想外のオチを描いた短編漫画に、X(旧:Twitter)上で1.7万件の「いいね」とともに「怖いけど怖くない」「ホラー&コミカルの落差がすごい」と反響が集まっている。
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同作は、ネブクロ(@nebukuro41)さんがくらげバンチ(新潮社)で連載する漫画「訳アリ心霊マンション」(※単行本第4巻は2024年9月9日発売)の一篇。エピソードの紹介とともに、作者のネブクロさんに作品制作の舞台裏を訊いた。
怖さと笑いが同居する!主人公のまさかの行動にハマる人続出



本作、「訳アリ心霊マンション」第22話は、主人公のマンションオーナー東雲薫(しののめかおり)が「幽霊の入居者探し」に奔走するエピソードだ。シリアスな展開を交えつつ、薫の斜め上な行動で笑いに転じてしまう。そのギャップこそ作品の大きな魅力である。
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作者のネブクロさんが着想を得たのは、怪談に潜む矛盾だったそうで、「『気絶して目が覚めたら霊が消えていた』とか『絶対に危険区域を説明しない老人』とか、自分がホラーを描くなら、そこを突いて差別化しようと思った」と語ってくれた。
SNSでの発表時から反響を呼び、第17回「くらツイ漫画賞」では大賞を受賞。その後の連載版では、物件だけでなく住人が抱える「訳」を丁寧に描き、物語性を深めている。「『訳アリ心霊マンション』はホラー漫画でも、コメディ漫画でもない。その2つがミックスして成立する『ホラーコメディ』です」と断言するネブクロさん。
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「目指すところは読みやすさ」だそうで、一話完結の形も多く、途中からでも楽しめるよう工夫しているという。2024年9月には単行本4巻が発売され、ますます注目を集めている「訳アリ心霊マンション」。次のページをめくった瞬間、あなたも予想外のホラーと笑いの狭間に巻き込まれるかもしれない。
取材協力:ネブクロ / くらげバンチ(新潮社)
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