
譲渡会で見かけたボサボサで毛玉だらけの子猫。噛み癖が激しかったこともあり、なかなか引き取り手がなく、「単身者でもOK」という里親条件をゆるめてもらえたことで引き取ることになった。「筆坊」と名付けた黒猫は、あまりにも塩対応で素っ気ない。筆坊が野生を忘れて懐いてくるようすはなく、いまだ狩りの練習に余念がないようで爪を立てられることもしばしば。今回は、Xで連載中の夏宇(720yushin)さんの「うちの猫は様子がおかしい。」を紹介するとともに、創作のきっかけや筆坊について話を聞く。
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思っていた猫の性格と違う!筆坊だけのマイルール



懐かない猫・筆坊の特徴的な一面は「ご飯の催促をしない」こと。お皿にご飯を用意しても気づかず、しばらく経ってから「お?ある」といった様子で食べ始める。その姿は「飼い主にもらった」ではなく「自分で見つけた」と思っているかのようだ。絶食のときは、ご飯が出なくても飼い主が責められることはなかったという。そんな筆坊は正面から見るとヒゲが見えず、普段は後ろに収納している。猫のヒゲが後ろ向きなのは恐怖や警戒のサインとされ、無理に戻そうとすると「それが猫の誇りだ」と言わんばかりに噛みつかれてしまった。ところが、おもちゃを差し出すと一瞬で前に戻るという。
筆坊日記を描こうと思ったきっかけについて、作者の夏宇さんは「あまりにも塩対応で寂しさと戸惑いをなにかにぶつけたくて描き始めました。人間にゴロゴロすりすりしたり、そばで溶けるように眠っている猫の動画を見るたび、『なんでよそはこんなに懐いてるんだー!』と悶えてます」と話す。譲渡会で出会った筆坊の性格について、「甘えない、撫でさせない、よく噛む、狩りの練習に余念がない。厳しい軍人みたいです。寝起きだけは吸い癖が出て子猫に戻ってます。早くに母猫と離れたためでしょうか…」と話す。そんな筆坊を描くときのこだわりは、「愛らしい顔立ちではないけど動きとかがとぼけててかわいいので、なるべく再現できるようにしています」と教えてくれた。
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筆坊との暮らしで「笑うことが多くなった」と語る夏宇さん。懐かなくても愛おしい存在であることが日記から伝わってくる。そんな「筆坊日記」、ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:夏宇(720yushin)
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