子どもたちで賑わう人気の遊園地。35年前、この遊園地では1件の痛ましい事故が起こった。7歳の少年がジェットコースターと接触し、頭部と両腕を激しく損傷して死亡したのだ。時は過ぎ、その凄惨な事故の記憶は薄れ、遊園地には楽しい時間が流れていたが、その少年の霊だけは35年前のまま、その場にとどまっていた。

今回紹介する話は、ホラー漫画『鬼の居る間にわたしたちは』の第3話である。『鬼の居る間にわたしたちは』の主人公は女子高生・螢で、螢は怪異が見える特異体質だった。極力見えないふりをしてやり過ごしてきた螢だったが、ある日転校してきたあざみの肩に凶悪な怪異が取り憑いているのを目撃する。あざみは憑かれやすい特異体質で、特に霊力の高い怪異を引き寄せる傾向にあった。あざみには怪異の姿は見えなかったが、なぜか螢と手を繋いでいる間だけ見えるようになることに気がつく。そして、その怪異事件をきっかけに2人は仲良くなったのだが――。
続きを読む

本作を描いたのは、漫画家の三ノ輪ブン子(@minowabunko)さんである。ホラー漫画や都市伝説系の漫画を得意とし、現在は人気YouTuberのラブマツさんが原作を担当する本格ホラー&コメディ『超ビビりな配信者でも編集しちゃえば怖くない説~ラブマツと巡る都市伝説ぶっ壊しツアー~』を連載中だ。今回は三ノ輪ブン子さんに『鬼の居る間にわたしたちは』について話を聞いてみた。

続きを読む
――『鬼の居る間にわたしたちは』の第1話では都市伝説「テケテケ」、第2話では東北に今も残る「ムカサリ絵馬」の風習を取り扱った話でしたが、今回の第3話にも元ネタはあるのでしょうか?
『鬼の居る間にわたしたちは』は海外のアプリで配信されていた作品なので日本的なホラーをと思い、今回はシンプルに幽霊のお話にしました。日本のホラーの特徴のひとつが幽霊のお話が多いことだと思うんです。かつて自分と同じように生きていた人が死んで幽霊になった。その幽霊をただやっつけるのではなく生きている人の延長で捉えて何か別の方法を探す、というのはすごく日本的なホラーな気がします。
続きを読む
――観覧車から見た夕焼けの描写に圧倒されました!モノクロなのに鮮明なオレンジ色がはっきり見えました!
物語の雰囲気や方向が一気に変わるシーンだったので、それが伝わるように丁寧に描きました。その後に続くシーンも含めて、人物たちに当たる夕陽もひとつのキャラクターと同じくらい大事に描いたので、そこに色を感じていただけたならとてもうれしいです!

本作の第3話で、少年の霊はずっと螢とあざみにつきまとう。しかし、少年は螢たちは見ておらず、終始あるものを見つめていた。その視線の先にあったのは、大きな観覧車だった。なぜ少年は観覧車を見つめていたのか?彼を地縛霊にしていたのは観覧車への未練だった。その事実に気づいたあざみはある行動に出る!ただのホラーで終わらないぬくもり感じる第3話を、ぜひ読み進めてみて。心が洗われるような夕焼けの描写もお楽しみに!
続きを読む
取材協力:三ノ輪ブン子(@minowabunko)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
記事一覧に戻る