
SNSやブログで「若年性認知症の父親と私」を投稿し、注目を集める吉田いらこさん(@irakoir)。彼女が高校生のころに父が若年性認知症を患い、当時の苦悩や壮絶な体験をリアルに描く本作について、吉田さんに話を聞いた。
「誰かに聞いてほしい」…ありのままの気持ちを漫画に



本作は、吉田いらこさんの父親が病気になってから亡くなるまでの23年間を描いている。作品を描いたきっかけについて、「今まであまり人に話すことはなかったが、ただ誰かにこのことを聞いてほしいという思いはずっと抱えていました。リアルの知り合いに話すのは重たいと感じていたので、読む読まないの自由があるSNSに載せることにしました」と語る。
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描くうえでは「私の感じた正直な気持ちを描く」ことを大切にしたといういらこさん。「私は健気に介護をするわけでもない、家族のために努力するわけでもない、何もせず過ごしてきました。この漫画を読んでつらい思いをする方、腹立たしく思う方がいることはわかっていましたが、ありのままの自分を出し気持ちを吐き出すことだけを考えて描きました」と明かした。
父親が若年性認知症だと判明した当時を振り返ると、「全く受け入れることができませんでした。自分の頭で考えることができず、ドキュメンタリー番組を観ているような感じで当事者感がなかった」と述懐。続けて「時間はかかるけど、いつか元の父に戻るだろうと本気で思っていた」と、完全に現実から逃げていたという。
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最後に介護をしている読者へメッセージを求めると、「介護をしていない私が言うのもおこがましいですが、第三者にヘルプを頼むことだと思います」とアドバイスを送った。大好きな人を嫌いにならないためにも、適切な距離を取ることの大切さを強調した。
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